高校のない離島の一つの渡嘉敷島。その渡嘉敷小中学校で7日、卒業式が開かれた。中学を卒業する6人は全員が島を離れる。それぞれ元気よく返事をし、卒業証書を受け取った。思い出の写真の上映に歓声を上げて笑った

▼生徒は1人ずつ保護者に向かい感謝の言葉を述べた。「15年間育ててくれてありがとう」「まだ島を出る実感がない」。涙を浮かべ保護者と抱擁や握手をする。会場全体が感動に包まれ、もらい泣きした

▼玉城明日香さん(15)は「島を離れるのは楽しみと不安もある」と語る。仲宗根士導(しどう)さん(15)は「楽しみの方が大きい」と胸を膨らませた

▼島の小規模校では、生徒たちはきょうだいのように過ごし、地域住民も分け隔てなく接する。その生徒たちが島を出る卒業式は島を挙げて祝う。都市部では失われがちな地域の在り方の原点を見る思いだ

▼県教育庁によると県全体で今年も100人以上が、進学で高校のない島を出る見込み。那覇市には県立の寮ができ、財政的な支援の整備も進んだが、生徒や保護者には大きな環境の変化である

▼生徒たちにとって今後は、古里を思う気持ちが心の大きな支えとなるのではないか。受けた愛情と思い出を忘れずに、新たな一歩を踏み出してほしい。それが島への恩返しにもなるだろう。エールを送りたい。(内間健)