「冬に釣れるのはミナミクロダイ」「夏ならミーバイかな。後は…その他大勢」。沖縄県中城村の中城中2年の古謝真南斗(まなと)さん(14)と伊野波有志(ゆうじ)さん(14)は、学校で「釣り部」を名乗る2人組だ。自転車でうるま市浜比嘉島や豊見城市まで出掛け、さおを垂らす。

魚のさばき方と料理法を独学でマスターしたという釣り好きの伊野波有志さん(左)と古謝真南斗さん=中城村内

鼻にストローが刺さったウミガメ(動画投稿サイト「ユーチューブ」から)

魚のさばき方と料理法を独学でマスターしたという釣り好きの伊野波有志さん(左)と古謝真南斗さん=中城村内 鼻にストローが刺さったウミガメ(動画投稿サイト「ユーチューブ」から)

 ほかと違うのは大きなビニール袋を持ち歩き、ごみを拾うこと。絶好の釣り場が不法投棄で立ち入り禁止になったり、ごみが絡まって苦しそうな生き物を見たりした経験が行動につながっている。

◆針だらけのウツボ

 2人が釣りを始めたのは小学5年生の頃。昨年6月から、ごみ収集の日に合わせてペットボトルや発泡スチロールなどを拾うようになり、北風で海が荒れる日が増えるとほぼ日課になった。

 伊野波さんは、鼻にストローが刺さったウミガメの動画を見たのがきっかけ。古謝さんは「せっかくの魚がごみの影響を受けるのは嫌」と、ごみを拾うようになった。

 一見きれいそうな浜辺でも、潮が引くとドラム缶やゴルフボールが現れるという。釣り針だらけのウツボに出くわすこともあり、生きていれば針を外して海に戻す。

◆ポイ捨て「現行犯」

 「この前はコイのえらと口からロープが出てきたけど、取ってあげられなかったな。そのまま泳いでどこかに行った」。ごみ拾いを「ごみのお持ち帰り」と呼んでおどける伊野波さんだが、やるせない記憶がいくつもある。

 ポイ捨ての瞬間を「現行犯」で目にする場合もあるが、古謝さんは「何か言うと逆ギレする人がいるから」と口をつぐむ。

 拾っても、拾っても続くごみ拾い。2人は「俺たちはただ、おじぃになっても釣りがしたいだけなんだよな」と肩を組んだ。(中部報道部・平島夏実)