[家族のカタチ 離婚の時代に]
米軍人・軍属と県民の間に生まれた子どもの認知や、養育費請求などを巡る交際や家庭トラブルが相次いでいる問題を受けて、県が来年度から米軍基地内の支援状況調査に乗り出すことが9日分かった。実態が不透明な基地内の支援制度などをマニュアル化して公表し、基地内外の相談支援機関同士の連携の在り方を検討する。面談や当事者間の話し合いの場への同行支援など、軍関係者とのトラブルに特化した実務支援も県独自に行う。
米軍関係者に有利な内容が多い日米地位協定が壁となり、未婚・離婚などで子どもの認知や養育費を請求できず泣き寝入りする県内の女性は多く、戦後長らくの課題だった。
9日の県議会文教厚生委員会(狩俣信子委員長)で、県青少年子ども家庭課の真鳥裕茂課長が新垣新氏(沖縄・自民)に明らかにした。真鳥課長は取材に「今は、米軍関係者が関わる交際・家庭トラブルに対して基地内の福祉制度が何をどこまでしてくれるか未知の世界だ。基地内外の関係機関が連携し、基地の外と中で途切れていた支援を切れ目なくできれば」と話した。
調査事業の予算は一括交付金で約1900万円。日米の制度が混在し、軍隊ごとに支援体系が異なる可能性もあり詳細に調査する。
一方、軍関係者とのトラブルが起きた際、語学や専門知識の差で不利にならないよう、当事者をサポートする支援コーディネーターや専門家も配置する。予算は約960万円。面談や助言、ケースによっては基地内に同行する。家庭内暴力の被害者支援も視野に入れる。