また、9月と10月にも子牛を購入した別の農家から血統不一致の報告を受けた。ただ、JAは「いずれも授精師が異なっていたことから人的ミスによる事故と判断」し、公表せず競りを継続した。

 12月にも不一致が報告されたため、調べたところ、6月の事例と同じ授精師が種付けしていたと判明。ただ、詳しい事実関係を確認できず、1月以降も競りを続け、購買人に不一致の事実を伝えなかった。

 県は2月にこの授精師の立ち入り検査をし、書類の不備を確認。指導文書を交付した。

 血統の不一致は昨年、宮城県でも発生。種付けを虚偽報告した獣医師が、家畜改良増殖法違反の指摘を受けた。

◆「安福久」とは

  鹿児島県の民間会社の供用種雄牛。サシ(霜降り)の入りが良く、歩留まり率が高いことから、血統を持つ子牛は全国的にも高値で取引されている。2016年に死んでいるが、残っている精液が全国の家畜人工授精師の間で転売され、受精にかかる費用は上昇している。