沖縄職業能力開発大学校(沖縄市池原)の4年生グループが全自動式の三線皮張り装置を完成させた。職人の経験や感覚頼りだった微妙な皮の張り具合を、音をコンピューター解析で数値化することで、均質的に再現できるようにした。最短で片面約15分と時間も短縮。後継者不足や技術継承に悩む三線職人から歓迎の声が上がった。

三線皮張り装置を開発した沖縄職業能力開発大学校の学生と教授陣。協力した新垣喜盛さん(前列右から3人目)=12日、うるま市喜屋武・池武当新垣三線店うるま店

三線皮張り装置。木棒でたたいた音を解析し、張り具合を調整できる

三線皮張り装置を開発した沖縄職業能力開発大学校の学生と教授陣。協力した新垣喜盛さん(前列右から3人目)=12日、うるま市喜屋武・池武当新垣三線店うるま店 三線皮張り装置。木棒でたたいた音を解析し、張り具合を調整できる

 職人歴41年の池武当新垣三線店の新垣喜盛さん(78)が4年前に「本格的な三線をできるだけ安価で提供し、三線文化をさらに普及させたい。誰でも皮張りができる装置を作れないか」と同大学校に提案したのがきっかけだ。以来、同大学校の歴代の4年生が卒業研究として開発に取り組み、試作品を製作。小型化や改良を重ねた。

 三線の皮張り作業は熟練の技が必要で、張り具合は職人の目と耳が頼り。その基準は職人によってばらつきがあった。

 同装置では土台に固定した皮と胴に上から最大2・5トンの力を加えて張り付けていく。胴に張った皮を木棒でたたいた周波数をコンピューターで解析することで職人技の「見える化」に成功。850~千ヘルツが演奏者に好まれる通称八分張りや九分張り、十分張りに当たると分析した。自動運転では4段階の張り方が可能で、手動に切り替えるとさらに微妙な張り具合を調整することもできる。

 喜盛さんは「理想的な音を作り出すのが容易にできるようになった。普及につなげたい」、次男で2代目の茂さん(41)は「父が40年間培った技術が詰まっている。音を数値化できたことで、張り具合をお客さんに説明しやすくなる」と喜んだ。

 学生グループのリーダーで生産機械システム技術科の山崎心さん(21)は「品質のいいものを『安く、早く』を意識して開発した。職人さんから評価してもらい達成感がある」と胸を張った。

 装置はうるま市喜屋武の同店うるま店に設置し、使い勝手を検証する。装置に関する問い合わせは同大学校、電話098(934)6282、池武当新垣三線店うるま店は電話098(979)0521。(中部報道部・石川亮太)