大弦小弦

[大弦小弦] コロナと「シャチハタ」

2020年3月18日 08:15

 大ヒット商品は消費者になじみが深くなりすぎ、つい一般名詞と思い込んでしまう。サランラップ(ラップ)、シーチキン(ツナ缶)、エレクトーン(電子オルガン)などは固有の商標。新聞ではかっこ内の表記に言い換える

▼朱肉つきはんこ「シャチハタ」は、実はメーカーの名前。役所や金融機関の窓口で「シャチハタで大丈夫ですよ」と言われるほど浸透している。正式な企業名はシヤチハタ。ある商品が、新型コロナウイルス対策になると話題だ

▼ばい菌のキャラが書かれたスタンプで、帰宅した子どもの手に押す。消えるまでしっかり洗うと、コロナ対策で推奨される20秒以上になる。害がない程度に手を汚すことで、丁寧な手洗いをうながす逆転の発想だ

▼電子決済の普及ではんこ業界は逆風と思いきや、シヤチハタは新商品を次々に投入して増収している。「給料」「飲み会」「出張」など、スケジュール帳に押す用途ごとのデザインスタンプは働く女性に人気だ

▼旧カネボウ(現クラシエ)は、もともと「鐘淵紡績(かねがふちぼうせき)」。主力は綿糸の販売だった。オイルショックによる繊維不況を経て、傍流だった化粧品にシフトした

▼逆風が吹いても、のみ込まれずに攻める。または大胆に本業を転換する。市場環境の変化に企業がどう対応するか。シェアが縮む紙媒体の新聞にも問いが突きつけられる。(吉田央)

 
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