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「ミーアの死が本当に悔しい」 小4虐待死の父親へ懲役16年 かつて暮らした沖縄の反応

2020年3月20日 05:10

千葉県野田市立小4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が死亡した虐待事件で19日、父親の勇一郎被告(42)に対し懲役16年の判決が出た。心愛さんがおよそ8年住んでおり地元とも呼べる糸満市の人々は「許せない」という憤りや救えなかった後悔が改めて募り、「子どもを守れる環境を築こう」との声が上がる。

 心愛さんは野田市へ引っ越す2017年8月まで、両親や妹と糸満市で暮らした。市内で暮らしていた頃から、勇一郎被告の虐待と疑われる言動はあったとされる。

 「懲役20年でもよかった」。小学2、3年時に心愛さんが通っていた公共施設での塾講師の女性は、吐き捨てるように言った。

 裁判でも被告は、暴行を訴えた心愛さんの証言を虚偽と主張した。女性は「裁判を通して2度命を奪われたようなもの。本当にミーア(心愛さん)の死が悔しい」と語気を強めた。

 「おかしいことははっきりおかしいと口にするキリッとした子」という心愛さん。算数を真面目に勉強する姿が印象に残る。女性は「転校先でも立候補して学級委員になったのは頑張り屋さんらしい。元気なら4月から6年生だったのに」と言葉を絞り出した。

 事件直後に騒然とした心愛さん家族が暮らした地域は今、落ち着いた雰囲気を取り戻している。だが、事件の傷痕は深い。

 心愛さんが通った小学校の校区にある保育園の園長は「懲役は何年でも納得できない。体罰によるしつけなんてあり得ないともっと声を大きくして言わないといけない」と訴える。「心愛ちゃんのおばあちゃんも(被告による虐待を)訴えていたのに社会が耳を傾けられなかった。自分たちも反省しないといけない」と自責の念を語る。

 心愛さんと直接の面識はないという市内の男性も、事件後、「なぜ助けられなかったのだろう」と自問自答を繰り返して地域で子どもに携わる活動を始めた。「事件では学校と児童相談所の連携にミスがあった。子どもを守れる環境をつくっていきたい」と自らに言い聞かせるように話した。
 

 
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