社説

社説[帰国女性コロナ感染]警戒緩めてはならない

2020年3月23日 07:00

 海外帰国者から新型コロナウイルス感染が相次ぐ中、本島中部の学生で10代女性の感染が確認された。県内では初めてのケースだ。

 県によると、女性は家族や親戚合わせて6人で今月13日からスペインの首都マドリードを旅行。20日午前、成田空港に帰国した。

 政府はマドリードを入国制限対象地域に指定しており、全員検査を受けなければならない。成田空港検疫所は結果が出るまで空港内待機を要請したが、一行は羽田、那覇空港を経由して帰宅した。

 待機要請を受け入れなかった理由ははっきりしないが、東京近郊に自宅がない沖縄関係者がホテルを活用する場合、費用はすべて自腹である。負担は大きい。

 政府は21日以降に欧州などから出発した帰国者に自宅やホテルなどで2週間待機し、移動には公共交通機関を使わないよう要請している。それならば、政府は宿泊施設を確保し提供すべきだ。

 成田空港検疫所から女性が陽性、残り5人は陰性との連絡があったのは翌日。女性は無症状で県内の感染症指定医療機関に入院した。一日も早く回復することを願いたい。

 成田-羽田間を移動したバスには一行以外乗客はおらず那覇空港から自宅へは迎えの自家用車で移動。女性は外出していないという。県は女性と旅行した5人、車を運転した家族、航空便の前列に座っていた搭乗客3人の計9人を濃厚接触者と特定、不要不急の外出自粛を求め2週間の健康観察をする方針だ。

 県内では2月20日から約1カ月間、新たな感染者が発生せず終息ムードが漂っていただけに警戒を緩めるわけにはいかないことを示した。

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 女性ら家族は臨時休校中にスペイン旅行をしていた。平敷昭人県教育長は「休校は感染拡大防止のためで自宅で過ごすよう指導していた」と説明。家族らに理解されなかったのは残念である、とした。

 パンデミック(世界的大流行)の現在、海外旅行では現地の感染情報を収集することが重要である。

 今や「欧州がパンデミックの中心地」だ。中でもスペインは急拡大し今月14日に首相が非常事態宣言。外務省もマドリードの危険レベルを渡航中止勧告に引き上げている。

 21日現在、スペインの感染者は2万4926人、死者は1326人に上る。感染者は中国、イタリアに次ぐ。マドリードで多く発生しており、そんな中で旅行する判断は適切だったのだろうか。

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 県教育庁は、女性が外出しておらず、登校もしていないことから集団感染のリスクは極めて低いとして新たな臨時休校措置は取らない方針だ。

 県はイベントの中止・延期の方針を見直し、対策を十分講じることを条件に開催することを決めたばかり。今のところ変更せず「二次感染が確認されれば再度、見直しは必要」との考えだ。

 県民は冷静な対応を心掛けたい。せっけんで小まめに手洗いをする。(1)換気の悪い閉鎖空間(2)人が密集(3)近距離での会話-を避ける。個人でできることを徹底したい。

 
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