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沖縄の新型コロナ、新たな局面に 感染者の行動不明…情報公開どこまで? 米軍の情報もどう入手?

2020年3月30日 04:50

 沖縄の新型コロナウイルス感染は新たな局面に入った。二次感染が県内で初めて確認され、在沖米軍基地でも1、2例目が相次いだ。感染者の情報をどこまで公表するのか。米軍からの情報収集は-。県は高い壁に直面している。(社会部・篠原知恵、下地由実子)

(資料写真)沖縄県庁

30代男性と30代女性の足取り

新型コロナ関連情報特設サイト

(資料写真)沖縄県庁 30代男性と30代女性の足取り 新型コロナ関連情報特設サイト

 那覇市の30代女性は、30代男性から二次感染したとされる。男性の濃厚接触者は女性を含め9人。ただ、2人は詳しい行動歴の公表には同意せず、男性が県外のどこにいつ行ったのか、女性が男性とどこで接触したのかなどは明らかになっていない。

 県も、保健所が濃厚接触者を特定しており、感染者との信頼関係もあることから、公表を避けた。だが、行動歴を伏せればかえって社会不安を招きかねず、記者会見では質問が集中。砂川靖保健医療部長は「個人の利益と、公表で得られる利益、感染防止の利益を比較考慮しながら考える必要はある」と言葉を選んだ。

 感染者が相次ぎ、県が対応に追われる中、米軍との情報共有という課題も追い打ちをかけた。

 28日午後4時21分。嘉手納基地は公式フェイスブック(FB)で1人目の感染確認を発表した。県への一報はその約10分後で、外務省沖縄事務所からFBを見るよう連絡があったという。沖縄防衛局から連絡が届いたのは、さらに約30分後だった。午後9時を過ぎて、防衛局は県に米軍人2人目の感染を伝えた。

 感染症に関しては、日米合同委員会合意に基づき、県と米軍当局で発生情報を共有する仕組みはある。だが、感染防止対策を取るために「最も知りたい情報」(県関係者)である感染者の足取りは分からないまま。居住地が基地の外か中かも確認できていない。

 嘉手納基地を抱え、基地外居住が多い北谷町。野国昌春町長は「リアルタイムで情報が欲しい。感染者の行動や町内で過ごした時間があるのかも全く分からない」と焦りを募らせた。

 県は28日、外務省沖縄事務所と防衛局に、情報提供を申し入れた。沖縄タイムスも同基地に米兵の居住地や渡航先を質問したが、28日夜時点で回答はない。

[ことば]二次感染 感染した人と長時間一緒にいるなど濃厚接触が確認され、保健所が健康観察している人の中から、感染が見つかった場合を指す。感染源の分からない感染は「市中感染」になる。

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