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米軍内のコロナ感染すべて非公開に 沖縄基地も適用 拡大防止へ悪影響と批判も

2020年4月1日 05:00

 米国防総省は30日、新型コロナウイルスの米軍内における基地別や部隊別の感染者数、詳細について、今後はすべて非公開とする方針を公表した。沖縄の米軍基地にも適用するという。

星条旗(資料写真)

 米空軍嘉手納基地は31日、同基地内で3例目となる米兵の家族1人の感染をフェイスブックで発表したが、本紙の取材に「今後、基地内の感染者の総数は公表しないが、日本側との情報は共有する」と回答。詳細な情報が提供されるかは不透明で、沖縄県からは感染を防止する上での悪影響を懸念する声が上がる。

 同省当局は本紙の取材に「今回の決定は安全保障上や部隊の運用に与えうるリスク回避を念頭に考慮した結果」とし、沖縄のすべての米軍基地にも適用されるとした。県が求めている嘉手納基地所属の感染した2人の米兵の行動履歴などの詳細も非公開とする方針を示した。

 方針の適用は米国時間の3月31日(日本時間1日)から。各基地が国防総省に情報を報告するが、フェイスブックを含めて個別公表はしない。米軍全体での感染者数などは、必要に応じて公開していくという。

 嘉手納基地は感染者数の公表を避ける一方で県、防衛省、外務省と情報を共有するという。在沖海兵隊は現時点で感染者はいないとした上で「感染症例は公式の医療報告チャネルを通じて県に通知する」とした。

 謝花喜一郎副知事は「沖縄は米国ではない。『良き隣人』であるなら、地域住民が安心して生活するため情報を提供することは当たり前だ」と指摘。県保健医療部の糸数公保健衛生統括監は「米軍関係者は基地内外で県民と接触する。情報の非公表は県の感染症対策にとって大きなマイナス。県が対策を取る上で非常に困る」と困惑した。

 嘉手納基地は2例目までの感染について、日米合同委員会が合意した米軍の医療機関が県の保健医療部に通報するルートで通報。一方で、31日に判明した3例目はフェイスブックで発表したものの、保健医療部への通報はなかった。国防総省の方針が影響した可能性もある。

 国防総省は、21日に検査で陽性反応となり、入院していたニュージャージー州の陸軍州兵が28日に死亡し、米軍で初の死者となったことも明らかにした。(平安名純代・米国特約記者、政経部・銘苅一哲)

 同省によると、30日時点での感染者数は、米兵569人、軍属220人、家族190人、請負業者64人。     

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