【東京】環境省は31日、伊良部島と波照間島の沿岸で、国の天然記念物で絶滅危惧種のジュゴンが海藻を食べたとみられる跡を同省調査で初めて確認したと発表した。2島周辺が生息場所になっている可能性があるとみられる。特に伊良部島周辺では64本のはみ跡が確認され、同省担当者は「他地域に比べはみ跡が多く個体が生息している可能性は高い」とする。

沖縄県・伊良部島沿岸で見つかったジュゴンが海草を食べたとみられる跡(環境省提供)

 ジュゴンは日本で沖縄だけにすむが、名護市辺野古の米軍基地建設区域近くに長年、生息していた個体が姿を消すなど、生息が確認できない状態が続き、絶滅の懸念が出ていた。

 同省は2島沿岸で今年2月と3月、小型無人機ドローンによる空撮と潜水調査を実施した。その結果、伊良部島ではジュゴンが海草を食べたとみられる筋状の跡64本と、跡の密集域8カ所を見つけた。新しい跡も古い跡もあった。

 住民への聞き取りでは2019年8月ごろから今年3月にかけて計4件の目撃情報があった。夜間に個体2頭が岸近くを泳いでいるのを複数人が目撃したケースもある。

 波照間島では、筋状の跡が4本、鮮明に残っていた。密集域も3カ所発見した。いずれも比較的新しいとみられる。

 一方、辺野古に近い嘉陽海域では、食べた跡が毎年見つかっていたが、今回初めて確認できなかった。

(写図説明)伊良部島沿岸で見つかったジュゴンが海草を食べたとみられる跡(環境省提供)