新型肺炎の感染が拡大する中、人事異動のため3月下旬に名護から東京に引っ越した。日用品を購入しようと近所のスーパーに行けば、売り場の棚はほぼ空っぽ。「重大局面」として不要不急の外出や夜間外出の自粛が続き、危機感から買いだめする人たちで、レジには40分待ちの行列ができていた

▼駅前の小料理店に入れば客は1人だけ。テレビのニュースから、都市封鎖を意味する「ロックダウン」という言葉が出ると、女性店主は「こんな状態が続けば、家賃も払えない。店を畳むしかない」とため息をついた

▼異常な状況で新年度を迎えた東京では、感染リスクを減らそうと企業や行政機関が警戒感を強めている。政府が緊急事態宣言し、都市封鎖が現実になった場合の対応にも頭を悩ませているようだ

▼消費増税で消費が落ち込み、新型肺炎の影響であてにしていた五輪特需も消えた。さらに、都市封鎖に踏み切った場合の経済損失は計り知れない

▼ヒトとモノの流れが急速に滞り、生産活動が縮小、雇用情勢にも影響が出ているのは東京だけではない。沖縄や各地方にも波及し、それぞれの課題に直面している

▼政府は、リーマン・ショック時の56兆円を超す緊急経済対策を来週にも取りまとめる。迅速で確実に届く支援で命と暮らしを守らなければ、景気回復や五輪どころの話ではない。(吉川毅)