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首里城に最も近い酒造所 戦火を逃れたこうじ菌で酒造り 復興願い再建支援ボトルに

2020年4月5日 09:00

 昨年10月末の火災で正殿などが焼失した那覇市の首里城の再建を後押ししようと、首里城に最も近い泡盛の酒造所「瑞泉酒造」が太平洋戦争を経て復活した泡盛の支援ボトルを販売している。火災から5カ月。「首里城も同じように復興できるよう、思いを一つにして貢献したい」と願う。

首里城の再建支援ボトルを販売している瑞泉酒造の佐久本学社長=24日、那覇市

 瑞泉酒造は1887年、琉球王府が泡盛の品質を保つため酒造りを監督した地域「首里三箇(さんか)」で創業。酒造所名は、湧き水のある首里城の「瑞泉門」から取ったという。

 昨年10月31日未明、佐久本学社長(50)が父からの電話で酒造所に急ぐと、約100メートル先の首里城から炎と煙が空高く上がっていた。屋根瓦が落ちる音や、木材の割れる音が響く。戦争で焼失した城の復元過程を見てきただけに、無念だった。

 「首里城はウチナーンチュのDNAを感じ、自分を奮い立たせる場所」と佐久本社長。約450年も続いた琉球王国が誇りで、時折訪れては先人たちの苦労に思いをはせてきた。

 琉球王国のシンボルを後世に残し、歴史を感じられる場所にしてほしいと、社員らの発案で昨年11月末から泡盛「御酒(うさき)」の再建支援ボトルを販売。御酒は戦火を免れた自社の黒こうじ菌を発見し、培養して1999年に復活させたものだ。

 300ミリリットル、1375円で3千本限定。既に約2千本が売れ、利益は那覇市に寄付する。

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