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当初コロナと疑われず 感染ルート不明の2人 沖縄・拡大阻止の重大局面に

2020年4月5日 09:54

 沖縄県内の新型コロナウイルスの感染拡大で4日、感染経路をたどれない「孤発例」が同時に複数発生した。玉城デニー知事は、いつどこでどのように感染したのかが見えない「新たなフェーズ」に入ったと警戒する。今後、感染は急速に広がるのか。重大局面を迎えた。

40代女性と50代男性の足取り

県内関係の患者(4月4日現在)

40代女性と50代男性の足取り 県内関係の患者(4月4日現在)

 4日に感染が発表された患者のうち、那覇市の第一牧志公設市場で働く40代女性と、那覇市の営業職の50代男性は、県外や国外への移動歴はなく、どこで感染した人と接触したのかも分かっていない。2人のケースから、新型コロナウイルス感染を見つけ出す難しさが浮かび上がる。

 女性は3月26日に発熱した。症状が続くため、28日と30日に同じ病院を受診したが、医師は新型コロナウイルスの感染を疑っていなかった。検体が採取されたのは発熱から7日たった4月2日、肺炎と診断されてからだ。

 男性も3月25日に胸痛の症状が現れたが、検体の採取は9日後で肺炎が起きた4月3日だった。その間に心臓検査を受けていたが異常はなかった。

 新型コロナウイルスは、発症した当初は風邪の症状と似ていて区別が付きにくい。「新型」だけに、分かっていない症状もある。

 4日の記者会見。発症から検査までに時間がかかったことについて、糸数公保健衛生統括監は「推測するしかないが、移動歴のないことや、女性は体温が(検査の目安の)37・5度より一時低くなったことも影響していると思う」と話した。

 女性や男性が発症した時期は、県外や国外で感染して県内で感染が分かる「移入例」が相次いでいた。そのために、県外への移動歴のなかった2人は、検査対象から抜け落ちていた恐れがある。

 糸数統括監は「街に症状のない人や軽症の人が存在する可能性が高まっている」と、県内でも知らないうちに市中感染する危険性があることに初めて言及し、注意を促した。

 県は県内の民間企業のほか、琉球大学病院や県立病院などと連携し、検査可能件数を現在の38サンプルから倍増させる方向で調整を急いでいる。

[ことば]孤発例と市中感染

 孤発例は感染経路がたどれず、原因が分からない症例。大都市を中心に確認され、県内でも2月に80代男性、4月4日に50代男性と40代女性の計3人が見つかった。市中感染は孤発例が複数発生するなどの状況で日常生活の中で知らない間に起こる感染。非常に大きな流行を引き起こすことがある。

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