大弦小弦

[大弦小弦]スナックママの嘆き

2020年4月8日 08:25

 都内でスナックを経営する県出身の女性(60)が、ため息をつく。「2月からずっとお茶を引いている(客がいない)。1日の来店がゼロの日もざらなの」。新型コロナウイルスの影響だ

▼小池百合子都知事がナイトクラブやバーを名指しし、入店自粛を要請した3月30日を機に休業している。県出身者や沖縄ファンの政治家、官僚で、いつも満員御礼だった。閑古鳥が鳴くようすが想像できない

▼2、3月は売り上げが昨年の半分以下。休業中も家賃など固定費の負担がのしかかる。「半年も続けば、店を畳むしかない」と不安が募る

▼安倍晋三首相が緊急事態を宣言した。市民の私権制限を伴うが、ここ数日は野党からも「早く宣言を」の大合唱。何かすっきりしない。欧米のように強制力を伴う「ロックダウン」(都市封鎖)はできない。外出や企業活動の自粛は、あくまで要請ベース。法的な裏付けとして、周知の心理的効果が高まるのが特徴だろうか

▼宣言は、痛みを受ける側への支援とセットで機能する。「補償の保証」がなければ、生活のため営業し続ける店もある。首相は飲食店への直接補償に否定的だ

▼女性が経営するスナックは、コロナのまん延が指摘され客足が鈍った歌舞伎町と同じ新宿区。「業種を名指しした責任がある。しっかり補償して」。国や都へ切実に訴えている。(吉田央)

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