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切迫する資金繰り…でも「書類作成に1カ月」 沖縄の中小企業、雇用助成金の手続き簡素化求める

2020年4月14日 05:00

 新型コロナウイルスの影響で、雇用主が従業員を休ませた場合に支払う手当の一部を補う「雇用調整助成金」の申請手続きを厚生労働省が緩和するのを受け、県内の中小零細の事業者らは一定評価しながらも一層の簡素化を求めた。国は書類の記載項目を73から38と半減したが、手続きを進める事業者は「必要な書類はまだ多く、作成に1カ月は掛かる」と訴える。作成を助ける社会保険労務士は「前払いの運用も必要だ」と指摘する。

沖縄労働局は雇用調整助成金の説明会を連日開いているが、1週間以上の予約待ちとなっている=10日、那覇市の那覇第2地方合同庁舎

 政府の緊急事態宣言や県の来県自粛要請を受け、県内の飲食店やホテルなどの観光関連の事業者では、臨時休業が相次いでいる。

 読谷村の観光サービス業者は申請書類の作成を進めているが、申請書類が10種類程度あり、記入に必要な項目を調べるのに時間がかかっている。担当者は「休業日数を調べて、給付を受けるための計算をしなければいけないが、その計算が難しい。人手が少なく総務や経理の仕事の合間に書かなければならず、なかなか進まない」と話す。

 沖縄労働局の説明会に参加して記入方法を学んだが、理解が難しかったため必要な書類をその都度、書き上げて複数回に分けて労働局に提出することを決めた。担当者は「手続きを簡素化してくれたのは有り難いが、それでもまだ多い。もっと簡素化してほしい」と話した。

 説明会を受講するにも時間がかかっている。那覇市の旅行会社は労働局に問い合わせたところ、「1週間待ち」との説明を受けた。感染防止のため受講者数を制限しているためだが、経営者の男性は「資金繰りが行き詰まっている。すぐにでも手続きを終えて給付を受けたいのに」と焦りを募らせる。

 海外では賃金補償や、政府による信用保証によって融資が数日で実行されている。沖縄ツーリストはニュージーランドで展開するレンタカー事業の賃金補償が申請から5日後に振り込まれている。

 県内の社労士は「切迫している資金繰り考えると、前倒しで助成金を払うような運用も必要だ」と指摘する。別の観光サービス事業者は「海外は企業を守るのが優先で不正があれば正せばいいという考え。日本は悪用を前提に考えるので支給を受けるころには体力が弱まっている」と話す。

 厚労省の担当者は2008年のリーマン・ショック後に雇用調整助成金の要件を緩和したところ、不正受給する企業が相次いだのを挙げ「国としても迅速な給付と不正の防止の両方のバランスを取るしかない。今回、手続きを簡素化したのも利用者の声を反映させた結果だ」と理解を求めた。

(写図説明)沖縄労働局は雇用調整助成金の説明会を連日開いているが、1週間以上の予約待ちとなっている=10日、那覇市の那覇第2地方合同庁舎

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