フラダンスの本場、ハワイの大会で4位入賞の経験がある沖縄県の宜野座村立漢那小学校6年の石井海音介(かいのすけ)さん(11)が9日、フラの大会からの「引退」を機に、3年間伸ばした約70センチの長髪を切った。切った毛は、病気や事故で髪の毛がなくなった子どもに寄付する「ヘアドネーション」に協力した。フラは踊り続ける一方、読谷村内の美容室で「断髪式」を終えた石井さんは「とてもスッキリした」と笑顔を見せた。(北部報道部・又吉嘉例)

寄付する髪を手に笑顔を見せる石井海音介さん(左)と母親の優衣さん=読谷村の美容室「hair room botanika」(提供)

 母親でフラ教室を営む優衣さん(39)が指導し、3歳から踊り続けてきた。「フラは伝統文化。真剣に取り組まないのなら今すぐやめていい」。母の厳しい指導に海音介さんは「何度も家を追い出されそうになった」と苦笑い。それでも、つらいことを抱え込まない性分もあり、翌日になればまた練習に打ち込めた。

 昨年3月、6~12歳が出場する大会「クイーン リリウオカラニ ケイキ フラ コンペティション」日本大会の少年ソロ部門で優勝した。子どもの大会の最高峰とされるハワイの本大会に招待され、7月に出場を果たした。

 伝統曲を踊る出場者が多い中、沖縄を紹介するオリジナル曲で堂々とフラを披露した。「集中しすぎて記憶にない」。4位に入賞した時は「今まで踊ってきた中で、一番うれしかった」と顔をほころばせた。

 髪は当初、アニメのキャラクターに憧れて伸ばし始めたが、その後、優衣さんからヘアドネーションの活動があることを教わり、「協力したい」との思いで伸ばし続けた。夏は暑く、同級生にもからかわれたが、海音介さんは「ばかにされて、いらついてもすぐに忘れちゃう」。伸ばす目的があったから、気にならなかった。

 招待された今年2月の日本大会で前年優勝者として踊った。男児のソロ部門は12歳までのため、この舞台を最後に大会からの引退を決めた。さっぱりした表情の海音介さんは切った髪の毛を手に「いいかつらになるといいな」と願いを込めた。