「1依頼=10円で自分の時間を売ります」。市内に住む元市職員の國吉優さん(29)が、日給10円の「時間商人」を名乗って活動中だ。依頼内容はカラオケ居酒屋の手伝い、ハンドボールの練習相手、沖縄観光、一緒にお酒を飲むなどさまざま。目標は「世界中に友達をつくること」。まずは県内で人の縁を築き、県外、世界へ羽ばたく日を夢見ている。(浦添西原担当・宮里美紀)

日給10円で頼み事を請け負う「時間商人」の國吉優さん。手に持つのは木工業の友人に作ってもらった10円型の貯金箱=3日、浦添市仲間・てだこ広場

 「日本や世界を渡り歩いて、いろんな人とつながれたら」。ぼんやりと夢を描き始めたのは高校生の頃。英語の勉強が本格的になる中で、「英語が話せたら関われる人が増え、人生の可能性が広がる」と期待に胸を弾ませた。

 2017年に市職員になったが、世界中の人と交流したい気持ちが抑えきれずにいた。そんな時、友人にホームレス芸人・小谷真理さんの存在を教えてもらった。1日50円で自分を売り出し、さまざまな人と交流する動画などを見て、「面白い、これだ!」と感銘を受けた。

 日給10円時間商人として活動することを決め、今年3月に退職した。

 1月から活動を始め、4月上旬までに42人の依頼があった。子どもから高齢者まで、個性も考えも違う人々との出会い。最も心に残っているのは、小学2年生の男の子からの「ハンドボールの練習に付き合ってほしい」という依頼。お風呂掃除などで得たお小遣いから10円を支払ってくれた。國吉さんは「10円の重みを感じた」と感慨深げだ。

 10円の価格設定は「単純に、誰でも何でも頼めるようにしたかったから」。自身は動画編集で生計を立てており、時間商人として得た報酬は全て困っている人へ寄付するつもりだ。プログラマーや写真家など多様な専門性を持つ仲間と協力して活動の幅を広げる予定で、「自治会で子ども向けプログラミング教室を開くのはどうか」などと夢が広がっている。

 キッチンカーで全国を回り、行く先々で協力者を募りながら子ども食堂を開くことも計画中だという。

 活動が「めっちゃ楽しい」と顔をくしゃくしゃにして笑う國吉さん。「少しでも誰かの役に立ちながら、世界中に友達をつくりたい」と目を輝かせた。依頼はインスタグラムやツイッターで受け付けている。