沖縄県の米軍普天間飛行場から発がん性が指摘されているPFOS(ピーホス)を含む泡消火剤が大量に漏出した事故で、約22万7100リットル(ドラム缶1135本)が漏れ、そのうち6割超の約14万3830リットル(同719本)が基地外に流れ出たことが14日、分かった。防衛省が明らかにした。同日、防衛省は日米地位協定の環境補足協定第4条(a)にある環境に影響を及ぼす事故として、米側に基地内への立ち入りを申請。沖縄県も15日の申請に向け最終調整している。県によると、同条項に基づく申請は初めて。

県の松田了環境部長(左)に早急な対策を求める上野自治会の金城武信会長(右)=14日午後、浦添市・牧港漁港

 漏出した残りの約8万3270リットル(同416本)は基地内で米軍が回収した。

 松川正則宜野湾市長は本紙取材に「かなりの量だ。こんなにたくさんだとは思わず、びっくりしている」と驚きを隠さなかった。

 県幹部は「聞いたことがない量」と話した。

 防衛省によると水で原液を希釈した分量という。在沖米海兵隊は事故翌日の11日、市側に事故前の時点で4千リットルあったと説明していた。4千リットルが原液かどうかや、ピーホスの含有量などは不明。

 基地内への立ち入りを定めた環境補足協定第4条(a)は「環境に影響を及ぼす事故(すなわち、漏出)が現に発生した場合」となっている。

 手続きは米側が「環境に影響を及ぼす事故」として、自治体に通報するのが前提。今回、米軍は県や市に事故を報告しているが、同条項に基づくものかどうかは不明だ。

 防衛省は14日、「大規模な流出事故」(伊藤茂樹報道官)との認識を示した。

 謝花喜一郎副知事も同日、同条項に「該当する」として、川村裕外務省沖縄大使と田中利則沖縄防衛局長に立ち入りが実現するよう働き掛けを求めた。

 県は基地内で、泡消火剤が漏れ出た場所や経路、回収状況などを調査したい考え。必要があれば土壌や水のサンプリングを求める。

 また、県は同日、普天間飛行場周辺の河川が流れ出る浦添市の牧港漁港で、水質調査のための海水を採取した。