「報道」という特殊なリングで戦い続ける戦士・報道マンたち。彼らの信念が問われるドキュメンタリー映画。

「さよならテレビ」

 最初に心奪われたのは、契約社員の記者。一人で暮らすアパートの部屋には、報道関係の書籍が並ぶ大きな本棚があるのみ。常に権力への厳しい目線を忘れず、少し斜に構えた発言が魅力の50代男性。

 ずっと人前に立ち続け、称賛も批判も全て受け止めてきたイケメンキャスターの、葛藤だらけの人生も魅力的。でも一番は、上司と部下の間に挟まれた、現場責任者のあの方。

 「働き方改革を推進しながら、高視聴率番組を作れ」そんな無慈悲な社命を、血気盛んな報道部の面々を前に、悔しそうに伝えたあの顔が忘れられない。決してイエスマンじゃないはずの彼が、どんな気持ちで管理職を遂行しているのか。それを思うと胸がギューっとなった。(桜坂劇場・下地久美子)

 ◇同劇場であすから。