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「自慢の味を少しでも多くの人へ」ピンチの飲食店、テークアウトに活路 “車社会”で新規客の獲得も

2020年4月23日 05:50

 新型コロナウイルスの影響で客足が大きく落ち込む中、テークアウトサービスを導入する飲食店が県内でも増えている。完全予約制やドライブスルー形式のため密閉・密集・密接の「三密」が避けられるとして、徐々に客足を取り戻している。新たな集客スタイルを打ち出したことで、これまで利用のなかった新規客の開拓につながる事例も。感染拡大前の売り上げには依然として届かないが、「自慢の味を少しでも多くの人へ」と各店の試行錯誤が続いている。(政経部・大城愛乃、又吉朝香)

ドライブスルーによる料理の提供開始をPRする沖縄市の「コアカレー」系列のカレー革命軍SINGH(シン)のスタッフ(同店提供)

テークアウト商品のみで営業をしている味噌めしやまるたま=20日、那覇市泉崎

ドライブスルーによる料理の提供開始をPRする沖縄市の「コアカレー」系列のカレー革命軍SINGH(シン)のスタッフ(同店提供) テークアウト商品のみで営業をしている味噌めしやまるたま=20日、那覇市泉崎

◆ドライブスルー

 沖縄市のカレー専門店「コアカレー」は8日から、ドライブスルーサービスを始めた。店舗の駐車場に従業員が立ってメニュー表を提示。利用者は車の中から注文し、料理を受け取ることができる。

 3月まで売り上げに影響はなかったが、4月の売り上げは前年同時期より5割減。永田昂佑代表は「緊急事態宣言後、激減した」と環境の変化を実感する。

 一方、車社会の沖縄なら利用が見込めると始めたドライブスルーが新たな来店動機となり、新規客の獲得も。開始当初は10件程度だった注文数も、現在は30件以上に伸びている。

◆思いを込めて

 那覇市の「味噌めしや まるたま」は和牛ハンバーグや生姜(しょうが)焼きなどみそを使った弁当を販売している。6日の開始当初は1日10食ほどの注文だったが、今では60食に増加。ただ、客足の減少や客単価が高いディナータイムの酒類の提供がなくなったことで4月の売り上げは7割減と厳しい状況が続く。

 中西武久店主は「店を閉めた方が赤字は小さくてすむ。終息後、常連客に再びカウンターで飲食を楽しんでもらえるよう営業を続けていく」と前を向いた。

◆受け渡しを工夫

 那覇市のスペイン料理店「ピンチョス チキート バスクバル」は生パスタや前菜などの詰め合わせ弁当を完全予約制で販売している。

 「濃厚接触」となる空間をつくらないように、受け渡しの時間を注文者ごとに設定して、来店客を1組に制限。次の客が早く来た場合は、受け渡しが終わるまで外で待機してもらっている。

 2月にオープンしたばかりで、3月の売り上げは前月比7割減。染谷さんは「コロナが長期化するとの見立てもあり、飲食店は新しいサービスの在り方を考える時期にきている。1年先を見越して対策を立てなければ」と次なる策を模索している。

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