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「沖縄県民みんなで勝ち取った優勝です」 春夏連覇の興南高校野球部主将のコトバ

2020年4月22日 00:00
 

 2010年、興南高校野球部のグラウンドの片隅に、こんな言葉が書かれていた。「全員で日本一長い夏」。ホワイトボードに誰が書いたかは分からない。それでも誰もがこの言葉を信じて疑わなかった。

 その年の8月21日、沖縄県勢として、興南が初めて夏の甲子園優勝を決め、沖縄中が沸いた。那覇市・平和通りのテレビの前には市民が集まり、指笛が鳴り響いた。翌22日、深紅の大旗を手に那覇空港に降り立った興南ナインを、約4500人の県民が出迎えた。  沖縄の戦後史を語る上で、高校野球との関わりは切っても切り離せない。

選手の活躍に歓声を上げるアルプス席の観客=2010年8月、阪神甲子園球場

 ◇海に捨てられた甲子園の土

 首里が県勢として初出場した1958年、海に捨てられた甲子園の土は、米軍統治下の不条理さを全国に知らしめた。初めて4強入りした68年の興南旋風は、国際通りのパレードに黒山の人だかりができた。

 75年センバツで豊見城を8強に導いた赤嶺賢勇は「沖縄の星」と呼ばれ、初めて夏の決勝に進んだ90年は、九回2死二塁、沖縄水産・横峯孝之の同点打かと思われたレフトライナーに、初優勝の夢を見た。

 ◇史上6校目の春夏連覇 主将の我如古「プレーしながら目に見えない力を感じた」

 史上6校目となる春夏連覇を達成した興南。主将の我如古盛次は、東海大相模との決勝を「プレーしながら目に見えない力を感じていた。興南だけの力で優勝したとは思えなかった」と語る。

 県勢初の夏優勝を見届けようと、聖地は異様な空気に包まれた。午前8時10分には、5650人が列をつくった。10時の開門は1時間25分繰り上がり、9時には満員通知が出た。沖縄から臨時便が飛び、スタンドは興南カラーのオレンジで埋め尽くされた。

優勝を決めベンチに戻る選手にアルプススタンドから大きな声援が送られた=2010年8月、阪神甲子園球場

 ◇県民みんなで勝ち取った優勝

 興南・島袋洋奨と東海大相模・一二三慎太による投手戦との試合前の予想は大きく覆った。四回には敵失も重なり、一挙7得点。六回には我如古の特大の3点弾も飛び出して13―0とし、試合を決定づけた。決勝での19安打、12点差は大会史上3番目の記録だ。  決勝後の優勝インタビュー。アナウンサーが「あの向こうに沖縄があります」と興南の一塁側アルプスを指をさすと、我如古はとっさに出てきた言葉をそのまま口にした。

 「沖縄県民みんなで勝ち取った優勝です」  首里の初出場から約半世紀。沖縄県民の夢を乗せ、ついに深紅の大旗が海を渡った。

記事・我喜屋あかね、スライド制作・與那覇里子、デザイン・新垣怜奈

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