新型コロナ沖縄の今

コロナで無収入「配食が頼り」 “子の居場所”休止で支援 家族の生活を支える

2020年4月29日 05:00

 新型コロナウイルス感染拡大で、小中学校の臨時休校や子どもの居場所の休止に伴い食事が取れなくなる子どもたちのため、一部の居場所では弁当などの配食支援を行っている。配食は困窮世帯の生活支援につながっているからだ。しかし、物資提供が減りつつあり、関係者は5月の大型連休以降も休校が続けば届けられないと危機感を抱く。居場所の現場を歩いた。(社会部・西里大輝)

弁当や飲み物などが入った袋を受け取る利用児童の母親(右)=20日、那覇市内

 居場所を一時休止し、配食支援をしている那覇市の「のびのび広場」の與儀長次代表(55)と訪ねた配食先のアパート。小学6年の男児(11)と母親(32)が玄関に顔を出し、弁当などが入った袋を家族分受け取った。

◆収入がない

 家族は男児の姉、祖母の4人で、収入は母親のアルバイトのみ。カラオケ店に勤めていたが、新型コロナの影響で休業になった。店からの補償はなく、その間は友人を頼り単発のバイトで生計を立てていたが、今は「収入がない」と肩を落とす。

 就学援助を受け、給食費も免除してもらっているが、休校で給食がなくなり、急な出費に頭を抱えていた。母親は「配食が頼り。量も幾分か多めにもらっていて、その分を夕飯に充てている。配食が生活を支えている」と語る。

 與儀さんは事務所のある松尾地域を中心に毎日約10件程度を回る。多くはひとり親や困窮世帯。「前回配食をしていた居場所も感染を恐れ、今回はやっていない所もある」という。

◆細る物資提供

 ケースワーカーから追加の依頼もあり、配食がその家の生活を支えていることを実感している。ただ、「物資がなくなりつつある」

 今は経済団体や民間のフードバンクから提供を受けているが、前回に比べ「配分量が減った」と與儀さん。

 県に申請した助成金は、食材を購入し、配食支援の維持につなげたいと言うが、「今の状態では、連休後も休校になると届けられない」とこぼした。

「根性を据えて頑張らないとね」

◆子ども食堂の維持

 那覇市上間にある「子どもの広場in那覇」は子ども食堂を開所し、配食支援を行っている。細田光雄代表理事(64)は「事情を抱え、家にいることができない子どもたちがいる以上、居場所は必要」。小学4年の女児(9)は「みんなで集まるから楽しい。ここが閉まると、行く所がなくなる」と話した。

 ただ、利用にはマスクの着用が必要で、持っていない子には施設が提供する。食事も向かい合わせにせず、30分交代で時間をずらす。子どもたちの帰宅後は施設や接触物を消毒する。それでも遊ぶ中で「子どもたちの密着はどうしてもある」

 毎日10人程度の子どもが訪れる。1日2食の計20食と、ひとり親世帯へ計62個の弁当を宅配。今は地域や経済団体の協力で賄えているが、休校が長引けば、支援件数は増え、施設の費用負担も出てくると細田さんは想定する。

 「根性据えて頑張らないとね。やれるところまでやってみます」

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