「これ以上続けばもう持たない」。政府が5月末まで緊急事態宣言を延長する方向となったことに、県内の飲食店などは悲鳴を上げた。休校も再び延長となり、子どもを受け入れる放課後児童クラブ(学童保育)の関係者は「長時間勤務で倒れるのが先か、感染するのが先か」と徒労感も増している。
緊急事態宣言延長の前に、県内公立小中学校の休校の再延長が決まった。「この状況が長期化するのは厳しい」と話すのは那覇市内で放課後児童クラブを運営する親川志奈子代表。「社会を回すために必要なことはやっているが、あまりにも現場に丸投げ」と頭を抱える。休校が5月で終わればいいが保証はないとし、「学童クラブの経営上も、子どもの成長の面からも綱渡り状態だ」と話した。
再延長に嘆息する市内の女性(41)は、在宅勤務で新1年生と保育園の子どもと過ごす。外出自粛のストレスで家庭内のいさかいが増えた。感染リスクを考えると子どもたちを親にも預けられず、「精神バランスはぎりぎりだ」と訴えた。
宣言延長は、休業要請の延長にもつながる。国際通り近くで個室専用ホテルを経営する男性は、「新規客は9割減。これ以上は本当に厳しい」と声を落とした。
市内の居酒屋の20代男性店長は「この状況があと1カ月続くならもう持たない」と吐露。テークアウトを始めたが減少した売り上げをカバーするにはほど遠い。「どうしていいか分からない。せめて家賃は免除してほしい」
複数の土産品店を経営する男性は、宣言延長を想定内と受け止めながら「国民があと1カ月我慢すれば、県外の状況も落ち着き沖縄へ旅行もできるようになるはずだ」と願った。