元海兵隊員の米軍属による暴行殺人事件に抗議する県民大会の共同代表3人を沖縄タイムス社に招いた16日の座談会は黙とうから始まった。犠牲になった女性に哀悼の意をささげ、3人は静かに語り始めた
▼座談会は沈痛な空気に包まれた。代表らは事件への怒りと同時に、若い命を守れなかったことに胸かきむしられるような自責の念を抱いている
▼呉屋守將氏は「行動することが責務だ」と大会の意義を述べた。高里鈴代さんは「後悔の気持ちを抱いている」としながら、「事件を再び起こさない決意」を強調。玉城愛さんは「怒りや悲しみを繰り返させない思いを受け継ぐ」と語った
▼同日、翁長雄志知事が大会参加を表明した。公約を超える海兵隊撤退が決議に盛り込まれたことで悩み、海兵隊撤退には自民、公明、与党のすべての解決策を包含するという「苦肉の解釈」を示した
▼県議会は、自民退場の上で海兵隊撤退を盛り込んだ決議案を全会一致で可決した。怒りは同じである。県議会の抗議行動には自民代表も同席した
▼「政治色が強い」などとし、自民、公明、おおさか維新は参加しない。批判も政治行動の一つだ。それぞれの立場で犠牲者を追悼し、事件再発防止の具体的な対策が求められる。参加せずとも、19日は黒い物を身に着け、深い悲しみを表してほしい。(与那原良彦)