沖縄県独自の休業要請が20日まで延長されたことを受け、県内の事業者からは「仕方ない」「ここまで厳しいのは初めて」などの声が上がった。期間延長も支援金の上乗せはなく、「経済的な支援策が遅すぎる」との不満も渦巻く。
◇「耐えるしかないのか」
那覇市松山でスナックを営む60代女性は、大家と交渉して店舗賃貸料も一部免除してもらい、貯金を切り崩して生活してきた。「正直、生活は厳しい」とつぶやくも、休業要請の2週間延長には賛成する。「早く開けるためにも今は耐える時だ」と話した。
沖縄市のライブミュージックバー「JET」のオーナー、古堅喬さん(69)は「今の状況で延長は仕方ない」と受け止める一方、「経済的な支援策が遅すぎる。事業者の手元には全然届いていない。耐えるしかないのか」と不満を口にした。
◇第2波を懸念
キャンプ場や宿泊コテージを備える金武町のネイチャーみらい館は、当面5月末までの予定で臨時休館中。2週間後の状況に応じて再開を検討するが、外出や来県制限が緩やかになった後の感染の第2波を懸念しているという。
松田健人館長(42)は「再開後は来てよかったと思ってもらえるよう、今は日頃手が届かなかった施設の修繕・補修をしながら、V字回復に備えている」と話した。
宮古島観光協会の根間春仁事務局長は「感染を食い止めるための県の賢明な判断」と受け止めた。一方、市内のホテルや飲食店を中心に営業自粛が長引いており「さらなる延長で事業所の存続や雇い止めなど、損害が広がらないか危惧している」と話した。