内閣府の担当記者だった12年前。年末の予算編成の焦点は、まだ開学前だった大学院大学の予算確保と、不発弾処理費の在り方だった。当時、費用の半分を払っていた市町村は、国の全額補助を求めたが、財務省の壁は厚い

▼内閣府は2カ月前から布石を打つ。質問主意書への答弁書で、不発弾対策は国と地方が双方責任を持つという役割分担論を、公的文書で初めて明記。埋蔵量が多い沖縄の特殊事情に配慮するとの一文も忍ばせた。これが効いて財務省との折衝で優位に立ち、全額補助を勝ち取る

▼不発弾対策の歴史で見れば、ほんの一つの改善だろう。それさえも幾重もの労力を必要とした。となれば、今回も実現のハードルは高そうだ

那覇空港で見つかった不発弾3発。第2滑走路がなければ空港は機能不全に陥っていた。76年前の10・10空襲で落とされたおびただしい爆弾。大城渡名桜大教授は、空港全域の磁気探査の必要性を説く

▼三重県で1999年、国道工事中の機械の振動が原因とされる爆発事故が起きた。航空機の離着陸も決して無縁とは思えない

▼誰しも利用する空港という第一級の公共施設で、不発弾の危険が内在する。10・10空襲から続く沖縄戦の負の遺産。大城教授は「歴史からの警告と考えるべきだ」と語る。行政として看過できるものではないはずだ。(西江昭吾)