【小橋川慧通信員】カナダには学校と企業とが協力した「コーポレーティブエデュケーション」(通称・コアップ)という制度がある。学校で学んだことを仕事の現場で実践して生かし、収入を得るインターンシップの制度で、日本の就職活動でも長期インターンが導入される傾向がある。カナダでは大学により期間が10〜20カ月と異なるが、長期間さまざまな職場体験ができることが特徴だ。

 那覇市出身でカナダ在住の小橋川敦子さん(55)は、生物学科へ進学を希望し、1987年にコアップ制度のあるウオタールー大学を卒業した。同大のコアップは小さな企業から国際的大企業まで約7千社が関わる世界最大の規模だという。小橋川さんは「現場で働いた収入で授業料だけでなく車まで買った」というコアップ学生の体験談を聞き、同大への進学を決めた。

 大学の1年間は秋、冬、春の3学期制。コアップ学生の一つの履修パターンは、秋は大学で学習、冬は現場で有給勤務、春は大学、秋は現場と学業と就業を繰り返し5年かけて学士号を取得する。

 食品会社、厚生労働省、微生物研究機関など、各職場を巡った小橋川さんは、学生の間にトロント、モントリオール、オタワと4カ月ごとに仕事のため引っ越した。主要都市では多くのコアップ学生が仕事をしており、連絡を密にすれば宿探しに苦労はない。

 給料から差引かれた税金は次年度初めにほぼ全額返却された。大学では教授の資料整理のアルバイトも行った。「親に経済的負担をかけたくない」とコアップを選択した小橋川さんは予定通り入学5年後に大学を卒業。「コアップは交流の輪を広げ、就職活動や面接のスキルを学ぶ素晴らしい制度だ」と話している。

(写図説明)ウオタールー大学最後の4年間、タウンハウスの1戸を共同で借りた仲間と写真撮影する小橋川敦子さん(右端)=1986年4月、カナダ・ウオタールー大学キャンパス