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「今日、声を出したの初めてかも」娘の一言に驚き 長引く休校 疲弊する保護者

2020年5月12日 04:50

 県内の小中高生と保護者を対象に本紙など3者が実施したアンケートに8日間で約7700人の県民が回答を寄せた。関心の高さは新型コロナウイルス感染拡大の影響の大きさ、深刻さを物語る。保護者へのアンケートでは、不安やストレスに感じていることを「新型コロナへの感染」と答えた人が75・2%と最も多く、「自由に外出できない」が62・3%と続いた。自由記述からは、感染予防に神経をとがらせながら、1カ月以上休校が続く子どもの面倒や家計のやりくりに疲弊する保護者の様子がうかがえる。

(資料写真)教室

(資料写真)教室

 「買い物は3日に1回。子どもは絶対に連れて行かず1人で」。本島中部の40代女性は、感染の怖さから小学生の子が人と接触しないよう気を張ってきた。5月中旬の学校再開に喜びと不安が入り交じる。「登校して楽しんでほしい。でも終息していない状況で、密になる場所は大丈夫か」

 小学生の母親=50代、本島中部=は「第2波の可能性があるなら、オンライン授業ができるようにして」と注文を付けた。

 長引く自粛生活による精神的負担も深刻だ。「今すぐ帰ってこないと死ぬから」。家に閉じこもり情緒不安定になった小学生の子から、そんな電話が仕事中に掛かってくると明かしたのは本島南部に住む公務員の40代女性。子どもは留守番で生活リズムが崩れ、女性も仕事と子育ての板挟みに。「これ以上、休校が続いたら親も子も持ちません」と苦悩をつづった。

 本島南部の30代女性は仕事から帰宅した際、中学生の娘の一言に驚きを隠せなかった。「おかえり。今日声出したの初めてかも」。娘の起床は昼前になり、出勤前に顔を合わすことも減った。女性は「娘の元気が日に日になくなっている気がします」と心配する。

 「家事負担の増加」(45・9%)や「世帯の経済状況」(45・8%)を不安やストレスの要因に挙げた人も約半数を占めた。

 未就学児と小学生の2人を育てる自営業の40代男性=本島南部=は緊急事態宣言延長で収入がゼロ。「このままだと店を畳むことになる。不安と子どもの面倒とでイライラ」と窮状を訴え、給付金増額を求めた。

 子どもが県外の大学へ進学予定だったが休校で引っ越しもできず、住んでいないアパートの家賃を払い続けているという40代母親=本島南部=は不安を隠せない。「今後、収入が減る恐れもあり進学を諦めてもらう可能性もある」と苦渋の決断を迫られている。

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