新型コロナ沖縄の今

孤独死の現場からコロナ最前線へ 注目を集める「特殊清掃」という仕事

2020年5月14日 05:50

 孤独死や自殺、事件の現場から、新型コロナウイルスの感染症対策へ。特殊清掃業者に、いま注目が集まっている。専門的な消毒技術を使って職場などでの感染拡大の不安を拭き取っていく。「安心できる」と好評だ。特殊清掃の現場に同行した。(社会部・光墨祥吾)

新型コロナウイルス予防で事務所を消毒する特殊清掃業者の作業員=4月30日午前、北谷町の不動産会社(伊禮健撮影)

■相談相次ぐ

 4月下旬。午前10時前、北谷町の不動産会社。特殊清掃のスタッフを乗せた車が横付けされ、マスクや長靴、布巾を持った5人が社内に入った。消毒するのは、3階の商談用スペースと2階の事務所。除菌効果がある次亜塩素酸水(次亜水)が入った容器を手に室内の拭き取りが始まった。

 担当するのは、腐敗臭が残る孤独死などの現場に入る特殊清掃業「アサヒサービス」(うるま市)だ。

 普段は消臭や消毒など遺体があった現場の原状回復や、遺品整理の依頼が多い。ただ4月に入り、新型コロナウイルスに関連する電話が増えたという。「風邪をひいた従業員がいる」「新型コロナウイルスの予防をしたい」といった電話が多い。感染者が出たときを想定して、公共機関からの相談もしばしばだ。

 この日、消毒の作業場となった不動産会社では同月下旬、従業員が風邪をひいた。新型コロナウイルスの感染は確認されていないが、一時休業していたという。男性社長(26)は「症状がない感染患者もいると聞く。営業などで従業員以外の人も会社を訪れるため、どこから感染するかは分からない。従業員の安心につなげるためにも消毒しようと思った」と語る。

■念には念を

 始まった消毒は徹底的だ。人が触りやすい範囲を重点的に、布巾で小まめに拭き取っていく。入り口のドアノブから始まり、机やいすは、足の部分も欠かさない。壁も全面。ほこりが舞わないよう上から下へ一方向にだけ動かしていく。次亜水での消毒が終われば、アルコール消毒。念には念を入れていく。

 新型コロナウイルスに感染した人の職場であれば、スタッフは防護服やゴーグル、専用のマスクを着用する。脱臭専用の機械を入れ、次亜水を機械で噴射。手作業での拭き取りも同時に行っていく。

 アサヒサービスでは現在、会社や事業所などを中心に消毒作業に当たる。同社の大和明文代表は「普段の特殊清掃の業務は、新型コロナウイルスの感染症対策に活用できることが多い。働く人の安心につなげられるよう丁寧に作業を続けていきたい」と話した。

 

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