大弦小弦

[大弦小弦]48年目の復帰の日

2020年5月15日 08:40

 なぜ特別な法律をつくって沖縄に振興策を講じるのか。「沖縄族」議員の重鎮、山中貞則氏はかつて「償いの心」と表現した。沖縄戦で多大な犠牲を強いた贖罪(しょくざい)意識が根底にあった

▼米軍基地問題を巡る摩擦が先鋭化すると、基地受け入れと引き換えの「アメとムチ」が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)。近年は、日本の成長戦略を引っ張る「フロントランナー」と評される

▼そんな耳当たりのいい言葉を額面通りに受け取れるほど、東京・永田町の空気は優しくない。むしろ荒涼とした風景が広がっていると言った方がいい

▼「いつまで振興策を続けるのか」。自民党国会議員の間ではそんな認識が波及しつつあると聞く。ハード、ソフト両面で、沖縄が本土と遜色ないところまで到達したことの裏返しとも言えよう。「沖縄族」が遠くかすむ

政治家がこうなら官僚組織も右へならえ。「腹をくくって政策に挑む役人がいない。もし一つでも指し手を誤れば、官邸ににらまれ、閑職へ飛ばされる」(自民党関係者)

▼きょうは48回目の日本復帰の日。あと2年で10年ごとの振興計画の改変期を迎える。県が中心となり、よほど戦略を練って政府・与党と向き合わなければ、新たな施策はもちろん、既存枠組みの継続すら一筋縄ではいきそうにない。その準備は整っているだろうか。残された時間は多くない。(西江昭吾)

 
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