北谷町の両替所から現金約690万円が奪われた強盗事件。容疑者として米軍が身柄拘束したのは米軍人と軍属の2人。外国人風との目撃情報や現場に憲兵隊が駆け付けた状況から想定していた嫌な予感が的中した

▼北谷町では昨年4月に米海軍兵が日本人女性を殺害し自殺する事件があったばかり。事件事故のたびに地元から米側へ再発防止や綱紀粛正の徹底を求めるが、一向に改善される気配はない。繰り返される凶悪事件に怒りがこみ上げる

▼事件の全面解決に向けて立ちはだかるのが日米地位協定の「壁」だ。協定では米側が先に身柄を確保した軍人・軍属の容疑者の引き渡しは「日本側が起訴した後」とされている

▼1995年の米兵暴行事件後、日米両政府は殺人や強姦(ごうかん)という「凶悪犯罪」に限り、米側が起訴前の身柄引き渡しに「好意的考慮を払う」ことで合意。2004年には殺人と強姦以外でも「日本政府が重大な関心を持ついかなる犯罪も排除されない」と口頭確認した

▼ただ、裁量は米側にあり、拒否されるのがほとんど。こうした特権を認める地位協定の存在が基地外での犯罪を助長している

▼復帰して48年を迎えても米軍関係者の事件におびやかされる日常は異常というしかない。両政府がうたう「対等な日米関係」の実現のためにはまずは同協定の抜本的改定が必要だ。(石川亮太)