大弦小弦

[大弦小弦]高校スポーツと区切り

2020年5月19日 10:06

 東京パラリンピック・カヌー代表で東京出身の瀬立(せりゅう)モニカさんは大会延期が決まった時、さほどショックを受けなかったという。前回のリオは8位。大宜味村で練習を積む伸び盛りの22歳は成長の期間になると捉えた

▼だが、程なく「もやもや」が湧いた。目前の目標が消えると、モチベーションを保つのが難しくなった。楽しめる練習を取り入れたり、競技に向き合う時間なんだと自身を納得させたり。「何度も考えて日々できることをすると決めた」と語る

▼部活動に打ち込んできた高校生も気をもんでいることだろう。コロナ禍で、全国高校総体に続き夏の甲子園も開催が危ぶまれている。九州では6県が県総体中止を決めた

▼「コロナが、自分たちが懸けてきたものを奪ってしまった」。県内の3年生の言葉が刺さる。トップクラスの選手だけでなく、3年生にとって夏の大会は集大成。勝っても負けても、やりきった経験が次へと進む力になる

▼県教育委員会は来月から、部活動を段階的に再開させる方針だ。県高体連と県高野連は「県大会だけでも開きたい」との姿勢を示す。やり方を工夫して、どうか実現を

▼高1の授業中に事故で両下肢まひになったモニカさんは入院中、一日の目標を立てた。その積み重ねで今がある。現役高校生にはコロナで目標までなくしてほしくない。(大門雅子)

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