社説

社説[学校再開]小さな変化 見逃さずに

2020年5月21日 09:06

 学びやに子どもたちの歓声が戻ってくる。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴い休校が長引いていた県内の多くの小中高校で、きょうから学校が再開される。春休みから数えると約2カ月ぶり。これほど友だちや先生に会うのを待ちわびた新学期もなかっただろう。

 一方、完全な終息は見通せず、当面、分散登校などの対策が講じられ緊張状態が続く。いつも以上に子どもたちの体調や行動の変化に気を配りたい。

 安倍晋三首相が全国一斉の休校を要請したのは2月末。県内では3月上旬にも約2週間の休校措置がとられており、保護者が懸念するのは学習面の遅れだ。

 県教育委員会は、授業時数確保のため夏休みを8月1~10日に大幅短縮する依頼文を県立学校に出している。学校によっては運動会や文化祭など行事の中止、土曜授業を模索するところもある。

 受験生らから焦りの声が上がっているのは確かだ。オンライン授業が実施された学校との学力格差を心配する声もある。

 ただ過度の詰め込みは子どもだけでなく教員の負担も重くする。全ての教室にエアコンが設置されているわけではなく、真夏の授業は熱中症の心配もある。感染リスクを考えれば換気にも気を配らなければならない。

 さらに学校生活の充実にもつながる行事の縮小は、子どもから楽しみを奪うようで心が痛む。感染防止に知恵を絞り工夫を凝らし継続することはできないのか。行事を含めての「学びの保障」だ。

■    ■

 文部科学省は、予定していた学習を年度内に終えられない場合、来年度以降、2~3年かけて遅れを解消することを特例として認める考えを示している。

 「夏休みをなくすなどして授業を詰め込むのではなく、さまざまな行事を含め幅広に子どもたちの教育を考えるのが大事」(萩生田光一文科相)というのは、その通りだ。

 問題は繰り越しできない中学3年生や高校3年生など受験を控える最終学年である。

 高校入試について文科省は、地域の休校状況を踏まえた配慮を、都道府県教委へ要請している。

 これだけ休みが続いたのだから、出題範囲や内容を絞るなどの対応策をとる必要があるだろう。県教委には、その方針を早急に決定し、受験生の不安を取り除いてもらいたい。

■    ■

 この間、自宅でゲームなどに没頭し生活リズムを崩している子も少なくない。目指してきた大会やコンクールが中止となり目標を見失いかけている子もいる。

 長い休み明けは、大きなプレッシャーから子どもの自殺が増加する傾向にあるといわれる。今回は外出自粛の影響で虐待リスクの高まりも指摘されている。

 先生たちには休み中の様子を子どもから聞き取るなど、声掛けや見守りを強めてほしい。スクールカウンセラーとも連携しながら「心のケア」に力を入れる必要がある。

 
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