5月下旬にしてはやや肌寒い朝に、胸をなで下ろす。おかげで、ずっと前に用意した一張羅の長袖スーツに息子も暑がらずに袖を通し、いざ学校へ

那覇市は昨日、43日遅れの小学校入学式。コロナ禍のさなか、例年と景色は違う。間隔を空けて体育館の隅々まで配置されたいす。割愛された来賓あいさつ。飛沫(ひまつ)が飛ばないよう、校歌斉唱は録音された歌声だけが響いた

▼学校生活を歩み始めたピカピカの1年生の前途には、かつてない変化が待ち受けているのか。入学や新学年の開始時期を9月に移す案の論議が熱を帯びる

▼文部科学省は来年移行を念頭に一斉実施と段階的実施の2案を示した。どちらも一長一短。これほどの大改革は誰しも得心する完璧な案はない。実施可否も含めて判断するのは政治の責任だ

▼2案以外にも、さまざまな選択肢があるらしい。その報道に接するにつれ、どこか腑(ふ)に落ちない。長引く休校で修学期間が短くなることへの対応が、単なる制度論に陥ってはいまいか

▼小1生の先は長いが、大学受験を控える高校3年生はそうもいかない。彼らにとって「来年」はない。来る入試がどうなるのか。関心はそこだろう。新たに始まる大学入学共通テストの枠組みもいまだ見えない。まず決めるべきは「入学時期」より「入試日程・概要」ではなかろうか。(西江昭吾)