社説

社説 [県議選きょう告示] 投票率アップの工夫を

2020年5月29日 14:39

 県議選がきょう告示され、6月7日の投開票日に向けて9日間の選挙戦がスタートする。

 政府の緊急事態宣言は解除されたとはいえ、新型コロナウイルス感染症への不安は消えず、「3密」を避ける異例の選挙戦だ。困難ではあっても、防止策を講じながら、有権者に政策を届ける工夫を凝らしてもらいたい。

 今、県民が最も関心を寄せるのは、そのコロナ禍からの県経済の立て直しである。当選した県議が、真っ先に取り組まなければならない最重要課題といっていい。

 新型コロナの感染拡大で、4月の入域観光客数は前年同月比90%減の7万7300人。外国客はゼロだった。県経済の屋台骨である観光産業は壊滅的な打撃を受けている。

 来県自粛要請が解かれる6月以降を見据え、空港での水際対策の強化、安全安心を徹底した旅行モデルの構築、事業継続や雇用維持のための県独自の取り組みなど語るべきテーマは多い。 

 新型コロナによる負担は、ぎりぎりの生活を余儀なくされている弱者により重くのしかかっている。

 シングルマザーの半数以上が収入減や収入がなくなると見通す調査結果が発表された。解雇や雇い止めも急増し、非正規労働者から悲痛な訴えが相次いでいる。

 沖縄の深刻な子どもの貧困や雇用の質の問題とも深く結びついているだけに、手をこまねいてはいられない課題だ。

■    ■

 名護市辺野古の「新基地建設反対」を訴え、玉城デニー知事が誕生してから約1年8カ月。県議選は、玉城県政の「中間評価」とも位置付けられる。

 現在、県議会は定数48(欠員2)のうち、与党26人、野党14人、中立6人で、知事を支える共産、社民、社大など与党が過半数を占めている。立候補予定者は64人で、与党がこのまま過半数を維持するか、自民、公明など野党・中立の「非与党」が多数を取るかが最大の焦点だ。

 4人の公認候補を立候補させる予定だった公明が2人の擁立を断念したことの影響は見通せないが、与野党が逆転すれば玉城県政は野党の攻勢で立ち往生する場面が増えるだろう。

 新基地建設問題で政府と対峙(たいじ)する知事にとって、過半数の維持は公約の実現はもちろん求心力にも大きくかかわってくる。

■    ■

 心配されるのは感染症への懸念が、投票率の低下を招かないかということだ。

 前回県議選の投票率は53・31%。今回、選挙どころではないという雰囲気もあり、50%を割る恐れがある。

 県議会は身近な生活に関する「県民利益」の意思決定を行う機関である。コロナ対策では厳しい現実を肌感覚で知る地方議会の力も試される。

 投票日に有権者が集中するのを避けるため、これまで以上に期日前投票の活用を求めたい。SNSなどでの政策発信、オンライン討論会など新たな手法による活発な論戦も期待したい。

 
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