沖縄県の玉城デニー知事は29日の記者会見で、新型コロナウイルス感染症の影響で、規模を縮小する方針を示していた6月23日の沖縄全戦没者追悼式について、県内の感染状況が落ち着いていることを踏まえ、場所を国立沖縄戦没者墓苑から、例年と同じ沖縄平和祈念公園内の広場に戻し、200人以下での開催に見直す考えを示した。安倍晋三首相や関係閣僚の招待は見送る。

戦没者の冥福を祈り焼香する参列者=2019年6月23日、糸満市摩文仁・県平和祈念公園

 追悼式は例年5千人規模の参列を見込んでいるが、県は新型コロナの感染防止と参列者の健康と安全を考慮し、知事や県議会議長、遺族代表など16人に絞り、開催すると発表していた。また、場所を戦没者の遺骨を安置する国立沖縄戦没者墓苑に変更する予定だった。  玉城知事は「場所や開催規模を再検討する。5千人規模に戻すことはない。県民の皆さまには引き続き、それぞれの家庭やそれぞれの場所で戦没者を追悼し、平和を誓う日としていただきたい」と県民への参列を呼び掛けないとの認識を示した。

 国立施設での開催に、沖縄戦の研究者から「殉国死の追認につながりかねない」と批判が出たことに、名渡山晶子子ども生活福祉部長が、沖縄戦の犠牲者の多くが一般住民であったことから、米軍統治下の琉球政府時代に県内での納骨所建設を国に要請した経緯を説明した。

 玉城知事は「県の強い要望で国が建設したものであり、規模を縮小するなら従来の場所ではなく、国立墓苑が適当であろうと場所を移すことを決めた」と選定理由を明らかにした。

 その上で、「規模を拡大するには、国立墓苑では狭いという現実的な問題もあり、従来の場所での開催を検討している」と語った。