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感染防ぎながら収益確保へ 「コロナと共存」飲食店の挑戦 安心感拡大へ創意工夫

2020年5月29日 18:04

 沖縄県の休業や時短営業の要請が解除され、飲食店の営業再開が広がっている。人々の外出は増えているが、コロナ前の活気にはほど遠い状況だ。専門家はコロナ終息には時間がかかるとし、「景気は悪化すると覚悟を決めた方がいい」と警鐘を鳴らす。「コロナとの共存」の中で、感染を防ぎながら、収益を確保する新たな発想での挑戦が必要と説く。

県よろず支援拠点でもビニールシートのスタンドや次亜塩素酸水の噴霧器などで感染予防している=18日、那覇市

 中小企業や個人事業主の相談をワンストップで受けつける沖縄県よろず支援拠点には、新型コロナウイルス感染拡大に関する相談が1100件を超えた。コロナ関連を含む全体の相談件数は、4月には949件と前年同月の3倍に急増。資金繰りに窮するなど相談内容も深刻さを増しているという。

■まずは資金繰り改善

 金城力コーディネーターは「資金繰りに追われると、まともな経営判断ができなくなる」と当面の資金確保の必要性を強調する。電気やガス、消費税、社会保険、国民健康保険といった支払いが猶予されているものは、すぐに手続きを取るようアドバイス。セーフティーネット融資や、持続化給付金などの助成金も「フル活用」を勧める。

 「今は緊急事態。支払いを延ばし、取れるものは取っておく。資金繰りを改善させてから、コロナへの対策を考えていくべきだ」と話した。

 「これからの飲食店経営で重要なのは安心感」とするのは上地哲チーフコーディネーター。社会的距離を保つための入店制限、ビニールカーテンの設置などの感染予防策を徹底した上で、「実施している対策をお客さまにきちんと発信することで、信頼を得られる」と述べた。

■予防策で信頼確保

 食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」も予防対策に有効とし、「今年から飲食店の導入が義務化されており、この機会に取り入れてほしい」と強調。それぞれの飲食店が感染予防策に取り組み、安心感を広げることで「沖縄県全体のブランド価値も高まり、コロナ後の観光回復につながる」と呼びかける。

 自粛期間中の飲食店は、テークアウトやデリバリーのほか、ネット通販などあらゆる方法で、落ち込んだ売り上げの確保に乗り出した。池村博隆コーディネーターは「人との接触を抑えるなどのコロナ対策に取り組みながら、いかに収益につなげるか創意工夫が求められる」と指摘。中食市場の取り込みを目指し、総菜製造の許可を申請したレストランもあるとし、「これまでの考え方を超えたチャレンジが必要になっている」と説明した。

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