沖縄市松本の小渡善徳さん(63)は手先の器用さを生かし自宅の車庫や門、ブロック塀などに動植物の絵を描き地域の人たちを和ませている。カクレクマノミやクジラ、人魚などの絵を目にした人の中には「保育園ですか? 手続きしたいですけど」と訪ねてくる人もいるという。

自宅車庫に描かれた絵を披露する小渡善徳さん=24日、沖縄市

 小渡さんの本職はリネン業。沖縄タイムスのランナー(配達員)も務める。これまで趣味で自宅の家具を制作するほか、貝殻や木材の切れ端を利用し幼児向けの動植物などミニチュアのおもちゃを作ってきたが、絵を描くのは今回が初挑戦だったという。

 今年2月、テレビで水中の魚たちの映像を見て、本土に住む孫たちが沖縄に帰省した際に絵を見て喜んでもらおうと考えたことが絵を描くきっかけになった。孫たちには絵のことは内緒にしており、驚く顔が楽しみだという。

 3月から33平方メートルの車庫にパソコンから画像を切り取り、下絵を描いてペンキやカラーペンで色塗りを始めた。絵柄は約150種。描く際は常に水族館をイメージし、鮮やかさを強調している。新型コロナウイルス感染拡大防止のため外出を自粛したため、絵を描く作業に約8時間没頭する日もあったという。ブロック塀にも絵を描き門をピンクに塗ったが、家族からあまりに目立つとの声が上がり「色を塗り替えなければならない」と苦笑する。

 レストランや病院などにユニホームなどのリネンアイテムなどを届ける際、壁に描かれた魚などの絵を見て心が和むという小渡さん。「孫が喜び、地域が明るくなれば幸い」と声を弾ませている。(翁長良勝通信員)