来年6月1日から、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」に沿った衛生管理が義務化されることに伴い、沖縄独自の食文化である「あちこーこー島豆腐」の衛生管理指針を定める手引書を農林水産省が定めることが30日、分かった。温度が55度を下回った場合は3時間以内に消費するか、冷蔵庫で保存することが柱。今後、厚生労働省の技術検討委員会で正式に決まる。

島豆腐を手に取る買い物客=30日午後、サンエー那覇メインプレイス

 手引書の策定は県内の豆腐事業者にとって、順守すべき衛生管理が明確となり、事業者間でのばらつきがなくなる一方、量販店での販売時間が限られることから製造の取りやめや、収入減による廃業が出ることも懸念される。

 豆腐は55度を下回ると、腐敗の原因となるセレウス菌が繁殖。手引書の作成を手掛ける協議会の一員の県食品衛生協会によると、4時間を超えると食中毒を起こす危険性が高く、3時間以内でなければ安全性を担保できないという。

 ハサップ基準の衛生管理は今年6月1日から導入に向けた準備期間が始まり、来年の義務化以降は順守しなければ行政指導の対象となる。改善せずに食中毒のリスクを放置すれば行政処分を受けることになる。

 40事業者が加盟する県豆腐油揚商工組合の久高将勝理事長は「中小零細の事業者が多く、対応できる所とできない所で分かれる可能性がある。品質を保つ基準として理解をお願いしていく」と話した。

 島豆腐は1972年の日本復帰で、本土のように水にさらし冷やして販売することが義務付けられたが、沖縄豆腐加工組合(当時)が熱々で食べる食文化を維持するよう国に陳情。74年に特例で認められた経緯がある。(政経部・仲田佳史)