記者が見た あの勝負

「奇跡を信じた」勝負のパットはわずかにショート 諸見里しのぶ、横峯さくらと賞金女王争い [記者が見た あの勝負]

2020年6月16日 06:35

[記者が見た あの勝負]2009年11月26~29日 女子プロゴルフ最終戦

最終日、大観衆の前でティーショットを放つ諸見里しのぶ。惜しくも賞金女王を逃した=2009年11月29日、宮崎CC

賞金女王を逃した諸見里しのぶの最終日を伝える2009年11月30日付スポーツ面

最終日、大観衆の前でティーショットを放つ諸見里しのぶ。惜しくも賞金女王を逃した=2009年11月29日、宮崎CC 賞金女王を逃した諸見里しのぶの最終日を伝える2009年11月30日付スポーツ面

 2009年の女子ゴルフツアー最終戦LPGAツアーチャンピオンシップ・リコーカップを前に、年間6勝の諸見里しのぶは賞金1億5540万円で首位に立っていた。540万円差で追う2位の横峯さくらより上の順位で終え、3位の有村智恵が優勝しないこと。後に世界ランキング1位となる宮里藍でさえ果たせなかった県勢初の賞金女王へ、分かりやすい条件が整った。

■悲願のV疑わず

 舞台は宮崎CC。11月26日の初日は12位の諸見里に対し横峯が首位発進したが、翌日は横峯が2位に後退し、諸見里が4位に浮上して2打差に迫った。4日間大会の序盤から、賞金女王争いにふさわしいデッドヒートが繰り広げられた。

 私は宮崎入りし、第3日から取材に臨んだ。県勢初の賞金女王誕生の前祝いとばかりに同行の写真部記者と宮崎のグルメを堪能し、出張費のほとんどを使ってしまった。その後は主にジャムパンを食べて過ごすこととなる。

 第3日、諸見里と横峯は同組。初めてプロの試合を取材する私は、一打一打を事細かくメモすることに集中した。

 横峯がやや崩れ、共に3アンダーで並んだ後半16番パー3、この日一番の見せ場がやってきた。2人とも第1打を左のラフに落としたが、諸見里はピンまでの間に障害物がなくチップインバーディー。横峯は目の前の太い松の木が邪魔になってボギーをたたき、ついに逆転に成功した。第1打が落ちた場所は、わずか数ヤードしか離れていなかった。

 「(神様は)まだまだいてくれる」と諸見里。運を味方に付けた23歳を見て、私も彼女が賞金女王になることを信じて疑わなかった。

■攻めてボギーに

 横峯に1打リードして3位で出た最終日。前半をイーブンパー、後半12番でバーディーと中盤まで決して悪くなかった。だが上位陣が崩れる中、前の組で回っていた横峯が15番を終えて単独首位に。たまたまリーダーズボードがあったその15番、諸見里の視界に入り、勝負を意識せざるを得なくなった。

 残り160ヤードの第2打は高くて止まる球が要求された。7番アイアンでは距離が足りず、6番アイアンでは高度な技術のショットが必要だった。江連忠コーチが試合後、「練習ではできるが、アドレナリンが出ていると難しい」と振り返った場面。諸見里は6番アイアンで攻めた。だがグリーン奥にこぼれてボギーとなり、横峯に2打差をつけられた。

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