那覇市牧志公設市場近くのサンライズなは商店街。昔ながらのお店が立ち並ぶ通りにふと現れるガラス張りのおしゃれなお店が目を引く。クラフトビールと県産食材にこだわった料理を提供する「Taste of Okinawa(テイスト・オブ・オキナワ)」だ。仕事帰りの会社員や観光客がビールと食事を楽しみ、仲間との会話に花を咲かせる。

那覇市のサンライズ商店街にあるテイスト・オブ・オキナワ

クラフトビールを持ち帰り専用の水筒「グラウラ-」に注ぐ護得久さん

那覇市のサンライズ商店街にあるテイスト・オブ・オキナワ クラフトビールを持ち帰り専用の水筒「グラウラ-」に注ぐ護得久さん

 オーナーの護得久朝晃さんは「沖縄だけでもクラフトビールの醸造所が11ある。それぞれ地域性あふれる特徴があるクラフトビールを提供するだけでも沖縄をPRできる」と話す。

 南都酒造所(南城市)のサンゴビールは、ミネラルが豊富な鍾乳洞のわき水を使い、県内老舗のヘリオス酒造はヴァイツェンといった定番ビールを出し続けている。黒糖や島トウガラシ、パッションフルーツ、シークヮーサーといった県産食材を生かしたものもあり、宮古島や石垣島でも特色豊かなビールが造られているー。クラフトビールのこととなれば、護得久さんの説明に熱がこもる。

 テイスト・オブ・オキナワでは生ビール7種類に加え、びんや缶など約30種類のクラフトビールを取り扱う。琉球ガラスの特製ジョッキで味わうビールは格別だ。

 護得久さんは「クラフトビールのイベントなどに足を運んで日本全国の醸造所とのネットワークを広げてきました」と笑う。護得久さんが認めた商品や、来店客からのリクエストに応え、ラインアップを入れ替えているという。「いつでも新しい味に出会えます」

 クラフトビールをおいしく味わってもらいたいから、料理にもこだわる。フランス留学を経て、銀座の2つ星レストランで修行を積んだ玉田裕三さんがシェフを務め、旬の県産食材を使った料理を提供する。

 一番人気のドイツの伝統料理「アイスバイン」は、ハーブやスパイスに1週間つけ込んだ県産豚の前足を県産ビールで4時間煮込む。ぷるぷるとした食感の中に豚肉のうまみが凝縮されている。ハーブの爽やかな風味がアクセントになっており、いくらでも食べられそうだ。

 メニューには、自家製の県産豚ソーセージ3種盛り合わせ、本部牛を使った手ごねハンバーグ、県産魚のアクアパッツァ、紅芋さつま芋のポテトフライと県産食材の料理がずらりと並ぶ。

 県産マグロとパイナップルのサラダは、脂身が少ない県産マグロのさっぱりとした味わいにパイナップルの酸味が絶妙なバランス。どの料理を食べてもクラフトビールに手が伸びてしまう。

 護得久さんのお勧めはフィッシュ&チップス。留学先のイギリスで食べた味が忘れられなくて再現した。魚の半身をそのままフライ。予想外の大きさに注文した客のほとんどが驚くという。テイクアウトもできる。護得久さんは「家でもビールといっしょに楽しんでほしい」とする。

 テイスト・オブ・オキナワは、昼は観光客向けに沖縄の伝統料理を教えるスタジオを展開。市場での買い付けから料理体験、食事まで一貫して楽しめると海外客を中心に人気を集める。

 護得久さんは大学から県外に出て、総合商社に就職。海外を飛び回っていたが、地元で働きたいと沖縄に戻ってきた。20年ぶりに帰ってきた沖縄の役に立つには何をすべきかを考えたすえに「観光客には沖縄の伝統文化を知ってもらい、地元客には沖縄の良さを再発見してもらう場所にしようと思った」という。

 沖縄が好きだから、観光客と地元客にも向き合うテイスト・オブ・オキナワ。護得久さんは「もっと多くの方に沖縄の良さを知ってもらいたい」と話した。

 テイスト・オブ・オキナワはスマートフォンで注文して、待たずに受け取れるDikitoon.com(ディキトーン・コム)を導入している。注文はhttps://tasteofokinawa.dikitoon.com/