【那覇】地域に根差し44年、子どもたちの健康を支えてきた牧志の宮城小児科医院が5月30日、惜しまれながら閉院した。最後の診察日、長年通院した家族や医院がある沖映通りの関係者ら約100人がサプライズで集まり、院長の宮城英雅さん(81)らに花束や色紙を贈った。「ありがとう」「お疲れさま」と感謝の言葉を受け、宮城さんは「ここまで続けてこられたのも皆さんのおかげ」と感極まっていた。(那覇担当・勝浦大輔)

地域住民や子どもたちから花束や色紙を贈られ、笑顔を見せる宮城英雅院長(左)=30日、那覇市牧志

宮城小児科医院の宮城院長(右)と山川弘子事務長

地域住民や子どもたちから花束や色紙を贈られ、笑顔を見せる宮城英雅院長(左)=30日、那覇市牧志 宮城小児科医院の宮城院長(右)と山川弘子事務長

 8月で82歳になる宮城さんは家族からの勧めや「残りの人生、もう少し好きなことをして楽しんでみたい」との思いもあり、約半年前に閉院を決めた。市内約10保育園の園医については調整しながら徐々に活動を終えたいという。

 1976年に開院。親子2代や孫も加えた3代にわたって通院した家族もいる。診察時、子どもたちにガムをあげることから「ガム先生」の愛称で慕われた。診療室の壁には、子どもたちから贈られた絵や手紙が数多く並ぶ。「あの魚の絵を描いた子はもう30代かな」と目を細めながら医院の歴史を振り返った。

 花城綾さん(44)は27日、孫の恵利香ちゃん(2)の予防接種で訪れた。「私が小さい頃からお世話になっている。安心して診てもらえる」と信頼を寄せる。2週間ほど前に閉院を知ったと言い「ありがとうと言いたい。でも、先生に会えなくなるのはやっぱり寂しい」と残念がった。

 開院した年から事務職として医院を支えた山川弘子さん(66)は「先生の説明は分かりやすく丁寧で、時にはお母さんたちの人生相談にも乗っていた。閉院は私も寂しいけど、先生のこれからを考えるとこれでいい」と話した。

 大勢が集まった最後の日を見届けた妻の満寿子さん(77)は「感激で涙が止まらなかった。本当にお疲れさま」と優しく夫に声を掛けた。今後について宮城さんは「まずはヤンバルや離島を散策したい。妻も連れて、ゆっくりとドライブしたいな」と晴れやかな表情を浮かべた。