あなたらしく、はたらく

「あと30年くらい働くとしたら、どんな分野でもプロになれるはず」。挑戦をあきらめない沖縄の女性管理職の横顔とは

2020年6月1日 13:00

 企業で働く女性が、日々どんな思いで仕事に向き合っているのかー。沖縄タイムス・アカデミアの人気講師、吉戸三貴さんが4人の女性にお話を伺います。さまざまな業種、職種、年代の女性のインタビューを通して、読者のかたが明日から自分の仕事に役立つと感じられる“ちょっとしたヒント”をお届けします。

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沖縄県農業協同組合(JAおきなわ)管理本部人事部次長 長堂直子さん
 

 JAおきなわの従業員は約3500人。その人事労務を統括しているのが管理本部人事部です。長堂さんは、そこで次長をつとめています。「県内全域に100以上の支店やセンターなどがあり、そこから上がってくる、採用など人事に関する稟議(りんぎ)を処理しています。従業員の健康管理も私たちの仕事ですし、組織内外からの相談や来客も多いです。人にまつわることすべてですね」。

 

 キャリア23年のベテランですが、ここまでの道のりは、学生時代に思い描いていたものとは違うと言います。琉球大学の経済学部を卒業して就職したのは、農協の上部組織である沖縄県経済農業協同組合連合会でした。「それが、9年後に農協に合併されたんです。経済の分野で経験を積んでバリバリのキャリアウーマンになるはずだったのに…とがっかりしたのを覚えています」。予想外の展開に驚きつつも、そこからは持ち前の生真面目さを発揮して、目の前の仕事に全力投球してきました。広報や研修担当をへて人事部に配属されたのは昨年10月のことです。
 
 長堂さんが現在取り組んでいる大事な仕事のひとつが、女性の働きかたに関するもの。「全従業員の男女比は6対4。約1800人いる正職員に限定すると女性は3割です。トップ直轄のプロジェクトで、女性が働きやすい職場を目指しています」。妊娠期間中の時短勤務の有給化など女性限定の施策もありますが、誰もが働きやすい環境をつくるという視点を忘れずにいたいと語ります。多くの人と関わるなかで、組織に留まる理由も離れる理由も「人」であることが多いことに着目し、人事担当として組織を変えるアクションを起こしたいと意気込みます。

 


  「人生100年と言われる時代。あと30年くらい働くとしたら、どんな分野でもプロになれるはず。挑戦をあきらめたくないんです」。後輩の育成にも力を入れたいと考え、若手メンバーと意見交換をするプロジェクトチームも立ち上げました。今の自分を、学生時代に憧れたキャリアウーマン像からは程遠いと言う長堂さんですが、人材育成や管理の分野で経験を積み、JAおきなわで働く人の未来について真剣に語る姿は、人にまつわる仕事のプロフェッショナルそのものでした。
 
 【はたらきかたヒント】週末は本格的な料理でリフレッシュ。毎日忙しく過ごしている長堂さんの趣味は料理。自宅で手軽にアウトドア気分が味わえるグリル料理が得意で、丸鶏からパプリカまで何でも焼いてしまうそうです。窓から夕日を眺めながらの家飲みも至福の時だと言います。平日とは違う時間の使い方をすることでメリハリをつけるアイデア、私も試してみたいと思います。
*取材および撮影は2020年2月12日に対面で実施しました


吉戸 三貴(よしど みき)
株式会社スティル 代表取締役/PRプランナー
那覇市出身。慶応大卒。沖縄美ら海水族館広報、東京のPR会社を経て、「スティル」社設立。日本初の広報・情報学修士号を取得。企業や自治体、ブランドのPRコンサルティングや人材育成などを手がける。2019年から沖縄タイムス・アカデミア講師。働く女性に特化した「PR・ブランディング講座」を担当。著書に「内地の歩き方」(ボーダーインク)。東京在住。

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