1960年のチリ地震津波から60年の節目に、沖縄県名護市の真喜屋小学校の卒業生や通学域の4区が5月22日、モクマオウやホウオウボクなどを植樹した。同小は当時、奥武島近くの沿岸にあり、校舎が半壊。陸側の現在地に移転した。植樹したモクマオウは旧校舎の跡地から移植。新城高樹校長は「子どもたちが地域に見守られていることがありがたい。しっかりと津波の記憶を伝えたい」と話している。

チリ地震津波60年で植樹をした卒業生の新里隆さん(左から4人目)、新城高樹校長(同5人目)と地元4区の区長ら=5月22日、名護市の真喜屋小(同校提供)

 記念樹を提供したのは、卒業生の新里隆さん(69)と宮平直記さん(71)。地元の源河、稲嶺、真喜屋、仲尾次の4区が協力した。

 新里さんは新校舎の第1期卒業生で津波当時は小学4年生。5月24日の早朝、父親に「大波が来るぞ」と大声で起こされ、幼い妹をおぶって山に向かった。途中で疲れて座り込んでしまったところ、津波が押し寄せてくるのを目の当たりにして、慌てて逃げたという。

 登校前で児童に被害はなかったが、真喜屋で3人が亡くなった。

 校舎は壊れて使えなくなり、新校舎が完成するまでの約2年半は、旧校舎を囲んでいたモクマオウの下で露天授業が行われ、新里さんが新校舎に登校したのは6年生の3学期だった。新校舎には、旧校舎で被災したデイゴの木も移植されている。

 真喜屋小では、毎年11月にある県の広域地震・津波防災避難訓練に合わせて、児童の避難訓練を実施。学校の運動場から、より標高の高い避難場所に逃げる練習をしている。新城校長は仲尾次出身で津波の1年後に生まれた。「子どもたちと同じく津波を経験していない世代として共に継承したい」と話した。