6月23日の「慰霊の日」の沖縄全戦没者追悼式の開催場所を巡り、国立沖縄戦没者墓苑から従来の「平和の礎」そばの広場に変更するよう求める有識者らと県側の間で“式典の場”に関する受け止めがすれ違っている。国立墓苑を開催場所とした県の判断を問題視し、経緯をただす質問に対し、県は「新型コロナウイルス感染防止のため」という説明に終始。有識者らは、平和の礎のそばで開催してきた意味をかみしめ、沖縄の平和思想を率先して継承してほしいと注文をつける。

追悼式の会場変更について、担当部局の職員(左)に意見を伝える「沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会」のメンバーら=2日、県庁

新里米吉県議会議長(左)に要請書を手渡す沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会の知念ウシさん=1日、県議会

追悼式の会場変更について、担当部局の職員(左)に意見を伝える「沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会」のメンバーら=2日、県庁 新里米吉県議会議長(左)に要請書を手渡す沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会の知念ウシさん=1日、県議会

 1日、県庁6階の知事応接室。「沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会」は、国立墓苑から従来の場所へ変更するよう玉城デニー知事に要請した。

 知事への要請は、県側の判断で非公開に。同会は要請文を手渡し、国家施設である国立墓苑での開催は「県民感情として受け入れられない」と訴えた。

 メンバーによると、知事は「新型コロナ対策を第一に考えた」と説明。問題提起を受け「勉強不足だった」「皆さんの言っていることは胸に納める」といった発言もあったという。同会呼び掛け人で沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんは「知事がどこまで共有してくれたか疑問」と話した。

 共同代表の石原昌家沖縄国際大名誉教授は「たとえ新型コロナ対策で規模縮小したとしても、従来通りの場所でやるという発想がないといけないのではないか」と述べ、平和行政を担う県の姿勢に苦言を呈した。