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「やちむんの売上9割減どころか、ほとんどゼロ」 沖縄伝統の焼物・壺屋焼にコロナ打撃 クラウドファンディングで応援

2020年6月2日 14:00

[コロナに負けない! タイムス応援企画]

「沖縄ならではのやちむんを手に取って楽しんでほしい」と支援を呼び掛ける島袋常秀・壺屋陶器事業協同組合理事長=5月27日、読谷村の常秀工房

 沖縄タイムス社(武富和彦社長)は、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた県内の各種業界の支援に取り組む。第1弾として、1日から本社のクラウドファンディングサイト「Link-U(リンクユー)」を通して壺屋陶器事業協同組合(島袋常秀理事長)の陶器販売の支援を始めた。

 「Link-U」には、組合加盟の26窯元のうち15窯元が参加。5千~1万円の食器やティーポットのセット、マカイ(茶碗)など普段使いができる陶器のほか、80万円のシーサーや大壺など計101のメニューが並ぶ。目標額は300万円で、クラウドファンディングは7月15日まで。「Link-U」のサイトは、https://a-port.asahi.com/okinawatimes/projects/rescue_yachimun/

「やちむんに触れて」壺屋陶器組合の島袋理事長

 新型コロナの感染拡大で売り上げが激減した壺屋陶器事業協同組合(島袋常秀理事長)が、インターネットを通じて資金を募るクラウドファンディングを活用して、厳しい状況を打開しようと動き出した。同組合の島袋理事長は「客足がないため土産品店も商品の仕入れを止め、作品の在庫が多く残っている工房も何カ所もある」と話し、県内外の「やちむんファン」に協力を呼び掛けた。

 新型コロナの影響で、2月ごろから多くの窯元や陶器店が並ぶ那覇市壺屋のやちむん通りや読谷村のやちむんの里などでは客足が途絶えた。毎年2月に開催している県内最大級の陶器市「読谷やちむん市」も初めて中止となった。多くの観光客でにぎわうゴールデンウイークも客足はほとんどなく、ある窯元は「売上が9割減どころか、ほとんどゼロに近い」という。

 焼き物ファンは、何度も来県して工房を訪れて購入するリピーターも多いという。ただ、渡航自粛が解除された後も以前のような客足が戻るまでには時間がかかり、厳しい状況は続くと見る。

 今回、沖縄タイムス社のクラウドファンディングサイト「Link-U」には組合加盟の26窯元のうち15窯元が参加する。

 島袋理事長は「各工房は販売が滞り、しばらく厳しい状況が続く。クラウドファンディングを通して、全国の焼き物ファンに沖縄の味わい深い『やちむん』に触れてほしい」と支援を呼び掛け、「沖縄を観光で訪れ、楽しみながら購入できる日が早く訪れてほしい」と期待した。

 沖縄タイムス社は、1954年の第6回「沖展」に陶器を含む工芸部門を設置。陶工たちが作品を発表する場をつくり、県内の陶芸の発展を支えてきた。復帰前の沖縄に人間国宝の濱田庄司を招いて陶工との交流の機会を設けたり、日本民藝展を開催して全国の陶芸を紹介するなど、技術の向上に寄与した。(中部報道部・大城志織)

 
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