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「このまま受験して大丈夫か」不安がる生徒  オンライン化で広がる教育格差

2020年6月3日 09:11

[争点の足元 6・7県議選](2)教育

テレビ会議アプリ「ズーム」を使い、オンラインで授業をする講師=5月27日、那覇市首里儀保町・弘文館進学ゼミACT

 新型コロナウイルス感染拡大で多くの学校が臨時休校となり、子どもの学びに影響を与えた。教育機関などは感染の第2波を想定し、オンライン授業の導入を急ぐ。ただ、家庭環境によっては教育格差が広がる懸念もあり、関係者は子の学習機会の保障に政治が力を入れてほしいと訴える。

■休校なら学力に影響

 那覇市内の県立高校では新型コロナの第2波、第3波に備え、授業のオンライン化を進める。情報科の女性教員(47)は「もし、また休校になれば学力に影響する。オンライン授業は学習権を保障する手段として確立しておく必要がある」と話す。

 一方、パソコンやタブレット端末の購入、インターネット環境の整備、通信費など、経済的に困窮する家庭にとって負担は大きい。「学習権の保障には経済的支援が不可欠。オンライン化の推進が学習機会の差につながってはいけない」と訴える。

■保護者の切実な声

 オンラインで学習支援を行う子どもの居場所「R・Kアカデミー」の喜久永りえ子代表(54)は「子どもたちが教育ツールとして、デジタル機器を使いこなせていない」と指摘する。困窮家庭には必要な情報が届いていないとも。「習熟度や情報量の差が教育格差となり、広がっていると感じる」と語る。

 保護者の声も切実だ。那覇市で美容室を営む女性(37)は再度の休校に備え、パソコン購入を検討している。子どもは5人。「全員分を買いそろえるのは無理。義務教育までは、国や県で購入費の負担や助成ができないものか」

■学びの機会どう保障

 このまま高校受験を迎えて大丈夫か-。学校休校中の4~5月に那覇市の学習塾「弘文館進学ゼミACT」でオンラインで授業をした岡田崇塾長(49)は「保護者の不安は大きい」と代弁する。

 今後、新学期の遅れが受験対策に響くことを懸念。「何とか学習機会を維持したいと取り組んだ。県議選では、学びの機会をどう保障するかにも目を向けてほしい」と呼び掛けた。

 受験生の娘がいる本島南部の公務員男性(43)は「推薦は1学期の成績が大事だと思うが、学校が再開したばかりで準備もまだ。子どもも不安がっている」と話す。第2波を最も危惧しているとし「もし再び休校になれば、授業時間の確保も、受験対策もままならない」と顔を曇らせた。(社会部・西里大輝)

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