大弦小弦

[大弦小弦]ブルーインパルスと花火

2020年6月3日 05:00

 日常的に軍用機が飛び交う沖縄に住んでいるからだろうか。第一印象は「なぜこれが感謝?」という疑問だった。航空自衛隊の曲技飛行隊ブルーインパルスが、新型コロナウイルスに対応する医療従事者へ感謝を伝える飛行をした

▼病院の屋上に集合し、編隊へ手を振り、スマホで撮影して喜ぶ医療者の姿が報じられた。青い空を飛ぶ機体に「かっこ良かった」の声も。騒音や落下事故で「かっこ良さ」の裏側を見せられる沖縄県民としては、複雑な心境になる

▼記者会見で、発案者を聞かれた河野太郎防衛相は「プロセスはどうでもいいだろうと思う」と言い放った。論語の「由(よ)らしむべし。知らしむべからず」を連想し、あぜんとする

▼民衆は為政者の決定に従えばいい。道理なんて分かりっこない-。そんな傲慢(ごうまん)さを感じる。税金を使う政策の決定過程に「どうでもいい」ことなどない

▼「私が指示した」と最初に明かしたのは1日付のブログ。記者から質問を受ける場での説明は拒み、一方的な発信を選ぶ手法もプロセス軽視に通じる

▼1日は、コロナ収束を願う全国一斉の花火もあった。発案者は日本煙火協会青年部の有志で、花火大会の起源が「悪疫退散」という説が根拠。3密回避で場所を公表せず打ち上げた。民間イベントの方が、よほど筋が通っている。こんな空なら毎日でも見上げたい。(吉田央)

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