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休業手当不払いは違法 那覇のホテルを労基署が指導 「配膳人」多数が困窮恐れ

2020年6月5日 07:46

 新型コロナウイルスの影響で休業を指示された期間の休業手当を那覇市のホテルが支払わないのは労働基準法違反だとして、「配膳人」として働く男性が那覇労働基準監督署に申告したことが4日までに分かった。労基署はホテルに立ち入り調査し、働く予定だった日数分を支払うよう行政指導した。(編集委員・阿部岳

沖縄労働局(資料写真)

 配膳人をあっせんする民間の紹介所2社によると、宴会場やレストランで接客を担当する配膳人は県内で数千人に上る。慣行として需要があるとき限りの「日々雇用」と位置付けられてきたが、実態は常勤で働く人も多い。観光産業が停滞する中、休業手当も失業手当も受けられず困窮する配膳人から紹介所に相談が寄せられているという。

 男性は昨年1月から毎月ほぼ20日以上、同じホテルの宴会場やレストランで働いてきた。しかし今年3月は客足が遠のき、上司の指示でシフト表にあった21日間のうち3日間しか働くことができなかった。4月以降はシフト表をもらえず、連絡もなくなった。

 労基法は、会社の都合で労働者を休ませる場合は平均賃金の6割を休業手当として支払うよう義務付ける。男性はホテル側と交渉したが、支払い義務のない日々雇用だと回答を受けたため、労基署に申告した。

 労基署は5月27日、ホテルに立ち入り調査を実施。シフト表通りに働く予定だった日数分の休業手当を払うよう行政指導した、と労基署職員から男性は連絡を受けた。ホテルが雇用する時に労働条件を示さなかった点も労基法違反だとして行政指導したという。

 ホテルは取材に対し「確認中でお答えできない」と述べるにとどめた。

 ホテルは男性の雇用保険料を負担せず、加入させなかったため、男性は仕事がなくなった後も失業手当を受け取れていない。

 男性は今後、社会保険を含めて要件を満たしていたのに加入させなかったのは違法だとして、ホテル側に補償を求めることにしている。

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